映画 「再会の街で」 (Reign Over Me, 2007)   

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マイク・バインダー監督  アダム・ダンドラー、ドン・チードル、ジェイダ・ビンケット・スミス、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド

なかなか見ごたえのある映画でした。
たぶんこれは、主演二人の演技力に負うところが大きいのではないかしら。それと登場人物の多彩さ。最初ゆっくりと物語がスタートするのですが、意味ありげな人物が、意味ありげな表情をし、意味ありげなことをするので、観ているものは、この人、どういう人だろう、どんな秘密があるんだろう~?と惹きつけられていくのです。うまく作られている映画だと感じました。

ニューヨークで歯科医をしているアラン(ドン・チードル)は、ある日、街で大学時代の親友を見かけます。名前を呼びかけてもその親友チャーリー(アダム・サンドラー)は反応せず、そのまま行ってしまいます。別の日に二人は再び出会い、言葉を交わしますが、チャーリーはアランのことを忘れてしまっているようなのです。チャーリーの風貌は世捨て人のようにみすぼらしく、歯科医をしていた昔とは別人のよう。実はチャーリーは、9・11テロで妻と三人の娘を亡くしてしまっていたのでした。一方アランは、思春期の難しい年頃の娘とアランを理想の夫像にはめようとする妻との生活で息苦しさを感じていました。家庭での息苦しさからのがれるため、また昔への郷愁も手伝ってチャーリーと夜の街を遊びまわるようになります。と同時に、悲惨な事故を記憶からブロックアウトしようとし、社会に順応しようとしないチャーリーのことが心配になり始め、何とか立ち直らせようと奮闘するのです。精神分析医のリブ・タイラーや、アランに思いを寄せる美人のへんな患者、几帳面そうなアランの妻(ジェイダ・ビンケット・スミス)も物語に彩りを添えながら絡んでいきます。。チャーリーはどのように再生していくのか、あるいはいかないのか。。。

まず、コメディアン出身のアダム・サンドラーが熱演でした。いつもの短髪ではなくくしゃくしゃの長髪で、ちょっとボブ・ディランのような雰囲気がありました~。声は相変わらず軽いけど。でもこれが救いかも。声も暗くて重かったら、映画自体がすんごく、重くなりそう。

「ホテル・ルワンダ」で、凛としたホテル支配人を演じて印象的だったドン・チーゲルは今回も知的なお医者さんの役。知的でありながら隙もある、なかなか魅力的な人物を演じていました。もしかしたらこの人こそ、シドニー・ポアチエの後継者的な存在の黒人俳優かも? 

アランの奥さん役のジェイダ・ビンケット・スミスはウィル・スミスの奥さん。きれいな方です~。子供もかわいいもんね。(特に男の子のほう。今回娘と共演していますが。。)

しかし、なんといっても受けたのは、看護婦メラニー役のポーラ・ニューサムという女優さん。この人、私のお気に入り映画「リトル・ミス・サンシャイン」でも、同じような陰険な看護婦さんを演じていたのですよ~。おもしろい、この人。もっとほかの作品も観てみたくなりました!

難点をいえば、9・11テロの実際のニュース映像、あれはいらんかったんじゃないかな~、と思いました。映画の世界から、ふっと生々しい現実に引き戻され、私は、違和感がありました。ほかの人はどう感じたのかな~。この映画が9・11テロ事件を扱っているのはわかっているけれど、それははっきりさせなくてもよいと思いました。ドキュメンタリー映画じゃないんだから。

監督のマイク・バインダーも会計士役で出演しています。
それと、タイトルの Reign Over Me は ザ・フーの曲「Love Reign Over Me 」からとっているそうです。なかなか激しい曲です。エンドロールで流れるのは、Pearl Jam というバンドのバージョンのようです。

by oakpark | 2008-11-14 21:53 | 映画 | Comments(4)

Commented by willow42 at 2008-11-15 16:23 x
ご無沙汰しております~~。
最近やっと落ち着いた気分になってきたので、ブログ方面も再開するつもです。
この映画、面白そうね。Juneさん紹介の映画はいつもアタリだから、これも見てみようっと。
ドン・チードル(チーゲルじゃないぜ)、『クラッシュ』に出てた人だよね。
あの映画に出てた役者、全部良かったよね。

↓『椿三十郎』見たのね!
「あばよ!」のあと、後ろ姿になったとき、肩をゆするでしょう。
私あそこが大好きで、何度でも巻き戻して見てしまうのよ。何度見てもいいよ、あれは。
加山雄三ってどうも嫌いだけど『椿三十郎』の加山雄三だけは、いいと思ったわ(笑)。
Commented by June at 2008-11-15 22:42 x
♪ willow 42 さん

お久しぶりです~。 なれるまで大変ですよね。無理しないでね。
あはは~。ドン・チードルだったっけ?あとで訂正しておきます~。
そうですね。「クラッシュ」ほどのインパクトはないけれど、まあまあ見ごたえがありましたよ。結構長いけど。看護婦さんにもぜひ注目してほしいな。私、あの女優さん、気に入っちゃった。

あの「あばよ」はよかった! 
肩ゆするの?そうだったような。もう一度観てみます。
いいな~と思った表情、いくつかあったように思うけど、女性二人が白の椿と赤の椿がどうのこうのといっている時にじれったそうにしている表情もおもしろかった。

うんうん、加山雄三じゃないように感じましたよ~。
いい味出していたね。
Commented by そしてごっどはんど at 2013-09-06 14:11 x
大変おそくなりましたが、先日フジテレビの
「ミッドナイトアートシアター」で放映していたものを観ました。

アダム・サンドラー(チャーリー)が審問会にかけられるシーンで
「Love Reign o'er Me」が効果的に使われていましたね。
愛を抱き、愛にあふれるからこその悲痛な叫びに聞こえ、
目頭が熱くなってしまいました。

素敵な映画をご紹介くださってありがとうございます。
Commented by June at 2013-09-06 23:01 x
♪ そしてごっどはんどさん
コメントありがとうございます~。
良い映画でしたよね。詳しい内容は忘れてしまいましたが、じんわりと感動したのは覚えています。Love Reign over Me を聞いてみました。 エネルギッシュでパワフルな曲ですね。好きな曲が映画に、効果的に使われているといつもうれしくなりますよね。 私の場合、映画で知った曲がたくさんあります。今はネットですぐに調べられますから、気になった曲は必ずチェックするようにしています。 「移民の曲」も映画「スクール・オブ・ロック」でよさを知った曲ですね~。CDで聞いたときはそれほどよいとおもわなかったので。

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