映画 「切腹」 「ジャイアンツ」   

今週は近所のレンタルショップが半額だったのでたくさん観ました。ぜんぶおもしろかったです。今回は、あたりだったあ~。面白い映画を観るとうれしくなります!

●「切腹」(1962年) 小林正樹監督  仲代達也、三國連太郎、石浜朗、丹波哲郎、岩下志麻
映画 「切腹」 「ジャイアンツ」_e0123392_07473.jpg


これは、映画にとてもお詳しい方に勧めていただいて観ましたが、とってもおもしろかったです。実はこのタイトルを聞いたとき、わ~重そうだな~、私には無理そうだな~と思ったのです。だって、次から次へと切腹するシーンが出てきそうなイメージがわいてきたもので。でも、実際は、切腹シーンは一回だけで、血はもちろん出ますが、白黒映像なので怖がりの私でも何とか観ることができました~。見終わって、やはり、タイトルは「切腹」以外考えられないですね。この映画の感想としては、私にとっては、なんと言っても、俳優陣のどっしりとした、緊迫感のある演技が衝撃的でした。最近の若手の俳優さんで、これほどまでに存在感のある人っていますかねえ。やはりすごいです、この方たち。だから名優と言われるのね、と納得しました。丹波哲郎は霊界がどうのこうのといっている頃しか知らなかったので(Gメンも観ていない!)、こんなに渋くて切れ味鋭い演技をされていたとは初めて知りました。仲代達也は、狂気じみた演技がお得意と思っていましたが、なんと、説得力のあるどきどきする演技をされる方なのでしょう。ただただ驚きました。ストーリー展開もとても工夫されていて、サスペンスタッチで面白く、途中全然飽きることなく一気に観ました。緊迫感をあおる音楽もとても良かったです。物語はというと、お家取り潰しになって、長年浪人生活を送っている武士が、ある武家の玄関にやってきて「これ以上生き恥をさらしたくないので、そちらの庭を貸していただき、切腹をさせていただきたい」と告げたことから始まります。この武士の運命がその後どうなるのかということを中心に物語は展開していくのですが、回想シーンが入り混じったりしながら、この武士の境遇、ここにいたるまでに何があったのかが次第に明らかになっていきます。仲代達也と丹波哲郎の決闘シーンも見ごたえがありますが、最後の仲代達也と三國連太郎の言葉の応酬には考えさせられるものがありました。どちらの言い分もわかる。人はどうあるべきなのか、武士とはどうあるべきなのか。この二つの立場はどう折り合いをつけるのか。これはそのまま、人として、企業人として、や、人として母として、などに応用できそう。人はただ生きているだけではなく、いろいろな役割を担っている複雑な存在なのですね。 この映画で、石浜朗という俳優さんを初めて知りました。鬼気迫る演技とはまさにこのことなのでしょう。二枚目の方で、一瞬「仮面の忍者赤影」を思い出しました。

そうそう、私のこれまでの人生で一番影響を受けた、小学校3、4年の担任だった深沢先生が教えてくださったことで三つ印象的なことがあります。特攻隊の訓練方法(先生は特攻隊の生き残りだった)と、たい肥の作り方(なぜだ~)、それと切腹の仕方です。先生実演(もちろん身振りだけよ)で教えてくださいました。こわかったあ~。

●「ジャイアンツ」(1956) ジョージ・スティーヴンス監督 ロック・ハドソン・エリザベス・テイラー、ジェームズ・ディーン
映画 「切腹」 「ジャイアンツ」_e0123392_0422261.jpg


テキサスの大農場主の半生のお話です。以前にレンタルして、使用人役のジェームズ・ディーンが油田を掘り当てるところまで見て時間切れで返却してしまったものを、もう一度挑戦しました。1956年公開の映画ですが、確かこの年の興行成績は、一番が「ジャイアンツ」2番がエルヴィスデビュー作「やさしく愛して」だったんだと思います。3番目はなんだったけな~。今度調べておこう。どうでもいいことだが。
ロック・ハドソンはハンサムですね。エリザベス・テイラーはいつ見ても美しいです。この作品が遺作となったジェームズ・ディーンは前半はかっこいいですが、後半は役柄のせいもあるけれど、かっこよく見えませんね。とくにロック・ハドソンと並ぶシーンでは、身長差が目立ちすぎです。こんなに小柄な人だったのですね。
ジェームズ・ディーンは前半がかっこいいですが、物語は後半が面白いです。特に3人の子供たちが好き勝手な道を歩み始め、親である、ロック・ハドソンとリズが悩む場面など、将来の我が家を予見させるよう(笑)。子供というのはいつの時代もそうなのですね~。この時代に人種差別問題を取り上げていることに驚きました。まだまだ西部劇が盛んで劇中でインディアンを敵対視しているこの時代に。また、女性の自立をテーマにすえている点も納得です。「ビジネスの話をしているんだから、女子供は先に寝ろ」なんてことを言われたら、リズでなくても怒りますよね。
ラストシーンの、夫婦の会話がとても良かったです。長年の間に、けんかしたり、意見が食い違ったりもしながらも、愛し合い寄り添い続けたふたりがこんな風に言います。
「結局、何一つわれわれの思い通りにならなかったな」「あら、でも私、あなたが殴られて床に倒れていた姿ほど素敵に思えたことはなかったわ。やっと二人がひとつになれたと思ったわ」
ちょっと違うかもしれないけれど、そんな感じのせりふでした。 息子の嫁がメキシコ人であることを歓迎してはいなかった父(ロック・ハドソン)ですが、その嫁の父親が人種差別をしている現場を見て、彼にけんかを挑み殴り倒されてしまったのです。以前からメキシコ人の住む貧民街
に出向き、白人と分け隔てなく接してきた妻(エリザベス・テイラー)は、夫の変化を誇らしく思ったのでしょうね。夫婦というものは長年の間に影響されあうものですよね~。私も、考え方など、かなり影響を受けていると自覚できますから。そういう意味でも相手選びは大切だな~、なんて。そういうお話ではないですが(笑)。
長男役の俳優さんが、エラい気合の入った演技だと思ったら、若きデニス・ホッパーでした。全然気づかんかった!

by oakpark | 2008-10-04 01:03 | 映画

<< 映画「ターミナル」(The T... 映画「冒険者たち」(1967)... >>