映画「怒りの葡萄」   

今日は、初めて朝日カルチャーセンターの講座に参加しました。
講座名は「Readings in English Language Films」です。全5回で、講師の先生が選んだ映画についてみんなで語り合うという講座です。当然事前にその映画を見ておかなければなりません。講師の先生はイギリス人のジェフ先生。一回目の今日の課題はジョン・スタインベック原作の「怒りの葡萄」でした。

私は、実は、この映画をつい、2~3ヶ月前に見たばかりで、正直見るのがきつかったです。名作で、感動的なシーンも多くありましたが、見ていてハッピーになる映画ではありませんでした。1930年代、大不況のアメリカで、オクラホマ出身の家族が土地を追われ、新天地を求めてカリフォルニアに移り住みます。カリフォルニアでも期待したような生活は望めず、また次の土地に移動しようとするところで映画は終わります。貧しい家族は、権力者たちに虫けらのように扱われますが、川の流れのように力強く行き続ける民衆の代表として描かれています。主役のトム・ジョード〈ヘンリー・フォンダ)が苦しい旅を続けながら成長していく姿をしっかりと描いていますし、印象的な名せりふも多くあって、確かに名作だと思います。

でも、またこれを見なければならないんだと思うとちょっと気持ちが沈みました。。しかも英語の授業なので、英語のせりふを知っておく必要があると思い、字幕を英語にしたので何度も居眠りをして中断してしまいました。3日くらいに分けてやっとこさ昨日全部見終わりました。

で、本日の授業ですが、とてもおもしろかったです。苦労したけれどちゃんと見てから行ってよかった。映画を見ていないと先生のおっしゃることが全然わからないところでした。知らなかったことも教えていただきました。たとえば、この小説は1939年に出版されたのですが、当時は「共産主義のプロパガンダ映画だ」と、とても批判的な意見もあったそうです。たしかに民衆に焦点を当て、せりふのなかにも「自分たちは大きな塊の一部」というような共産主義を匂わせるような部分がないことはないですが、共産主義の思想にとても敏感だった、アメリカの当時の時代の風潮がそういう論争を引き起こしたのでしょうね。翌年の1940年に公開された映画のほうは、だから、そういった部分はかなりマイルドになっているとのことでした。

先生のしゃべる英語もわかりやすく、それになにより、久々の授業、しかも英語の授業というのが新鮮でとてもよかった。学生のころはいやというほど授業を受けましたが、主婦になった今は授業なんてないですもの。離れてみると恋しくなるものです。。。。と子供に言っても理解できないだろうな~。

by oakpark | 2007-08-04 23:50 | 映画

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