言葉って。。。   

「言葉」についてのエッセイが好きだ。 「言葉」という漢字も好き。とくに「葉」がいいな。いつかお習字で書きたい。

今朝の朝日新聞に、私が気になっている、というか結構好きな、鷲田清一さんと高橋源一郎さんの対談が載っていた。
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いろいろと、なるほどなあ、と思うところがあった。「口下手な銀行員のほうが成績がいい」とか。言葉が多すぎると、逆に、上滑りというか、腑に落ちてこないことってある。逆に、言葉が少なく、余白が多いほうが、染み入るというか、深く理解できることもある。 お習字でも、いつも先生が、黒の部分ではなく、白の部分の形を考えて、とおっしゃっている。実際に表に出てきていない部分のほうが意味を持ってくるっていうこともあるんだなあ、と思う。

鷲田さんのお孫さんが、観劇後に「おかわりぃ!」って叫んだという話もいいなあ、かわいいなあ。気持ちが言葉に出てる。使い方が間違っていても。間違っているからこそ逆に、気持ちが強く伝わるなあ。面白かったから、もう一回観たかったのね。 それで思い出したのが、うちの息子も面白いことを言ったことがある。あれは、2歳か3歳くらいのクリスマス。サンタさんのプレゼントを開けて、「たったの絵本だった」と言ってました。う~~ん、残念だったのね。

言葉は、むずかしい。ほんの一言で、傷つけてしまうことも、感動させることも、喜ばせることも悲しませることもありますね。塾に勤めているので、私としては「励ます」「やる気を出させる」言葉をうまく使えるようになりたい。でも、そういう気持ちが強く出すぎると、効果的ではなくなってしまう。うその言葉はすぐわかってしまう。言葉より気持ちが大事。でも言葉がないと気持ちを表せない。

人間の気持ちって、これまた摩訶不思議。なんでこの時、こんな風に感じるんだろうとか、こう感じるはずなのに、なぜこう感じる?みたいなこともあるし。うれしいはずなのに、微妙に寂しい。悲しいはずなのに、ちょっとおかしい、とか。

先日、たまたまテレビで、ビートルズのポールが、だれかわからない元ギタリスト(あとで調べよう)とラジオ番組を放送している映像の番組があった。二人で、自分に影響を及ぼした音楽を紹介していく。二人の語りがとってもリラックスしていて、いい感じで、賢そうで、とてもよかった。きっとかつての若い二人は、いろいろと無茶もしてきたでしょうが、今でもまだちゃんと元気で音楽活動をしてきている年輪と知性がにじみ出て、彼らの繰り出す言葉の数々が、いちいち感動的に思えた。 そう、言葉って、それを語る人の人生も背負いますよね。同じ言葉を10代がいうのと70代が言うのとでは全然違う。

ポールのことだから、きっとエルヴィスのことも言うかな、と思って見ていたのですがやはり出てきましたよ。曲紹介はなかったけれど、何度か、もう当然の普通名詞のように、「Elvis」と口に出していました。こんな感じで。「不思議なんだよね。ある友達の家に遊びにいったとき、すごく頭痛がひどかったんだよ。でも、その友達がElvisのAll Shook Upのレコードをかけてくれたら頭痛がふっとんだよ」また、こんなことも。「バディ(ホリーのこと)がいいのは、自分で曲を作ったことだよね。Elvisは、大好きだけど、自分で曲を作らなかったから」。ジョン・レノンのことも語ってましたね。「ジョンは黒縁眼鏡をかけていて、それが自分ではいやで、女の子が周りにいると必ず外していたな。でも、バディが出てきて、黒縁眼鏡もかっこいい、と思い始めたんだよ」
ジョンも可愛い少年だったのですね。

それにしても好きな音楽で頭痛が治るっていうのも、人間って不思議な生き物ですね。好きな音楽、好きな言葉、好きな映像、好きな写真、好きな絵。そういうものに、人生を支えてもらいたいなあと思う、今日この頃です。

by oakpark | 2016-01-29 10:01 | 雑感

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