Elvis の 'One Night With You'
2014年 01月 11日
エルヴィス生誕映画祭は、毎年エルヴィスの誕生日の1月8日近くに行われるイベントで、今年は日本橋公会堂で、ドキュメンタリー映画2本が上映され、湯川れい子さんとエルヴィスファンの大物ゲストとのトークショーが行われました。
この「エルヴィスファンの大物ゲスト」ですが、湯川さんが招いてきてトークショーを行うという現在の形になって確か今年で4回目で、1回目が加山雄三さん、2回目が西郷輝彦さんだったように記憶しています。3回目の去年は参加できなかったのでどなたか忘れてしまいました。
今年のゲストは、尾藤イサオさん。尾藤さんは今でこそ、歌手、俳優として大活躍しておられますが、もともとは寄席芸人を目指していたそうです。お父様が寄席芸人で、3歳でお父様を亡くすも、お父様の遺志を継ぎ、10歳のときから鏡味小鉄という芸人さんの内弟子になり、6年かかる修行をスタートしたんだとか。ところが、修行の終わるまさに6年目に、買い物帰りの道すがら、蕎麦屋の暖簾の奥のラジオから流れる、エルヴィスの「ハートブレイクホテル」に大きな衝撃を受け、寄席芸人になるのをやめて、ロカビリー歌手を目指すことを決めたそうです。そのときの衝撃は、それまで感じたことのないような、血湧き肉踊るような高揚感だったそうで(という表現は使っておられなかったが)、エルヴィスに出会っていなかったら今の自分はないと断言されていました。
そして尾藤さんが歌ってくださったエルヴィスの曲、「ザッツ・オールライト・ママ」と「ワン・ナイト」がすばらしかった! 1943年生まれの尾藤さんは現在70歳だそうですが、身のこなし、パンチのきいた歌声、すべてすばらしい。特に「ワン・ナイト」は、今までいろんな人が歌うのを聞きましたが、一番良かったかもしれません。
「ワン・ナイト」は大好きな曲なので思い入れも強く、ほかの人が歌う場合、ついつい厳しくなってしまうのですが尾藤さんは本当にすばらしかった。エルヴィスのバージョンもいろいろありますが、私が一番好きなのは、1970年のラスベガス公演の時のもの。このときの様子は「That's the Way It is」(通称「オンステージ」)というタイトルでDVDにもなっていますが、この公演ってほんとすごいんです。何がすごいって、エルヴィスは、ラスベガスのヒルトンホテルでのこの公演を8月10から9月7日までの29日間、一日も休まず行っているのです。しかも初日だけ1ステージですが、あとは全部2ステージ、最終日は3ステージ(しかも午前3時スタート)で、計58ステージをこなしているのです。35歳のエルヴィスは体力があったんですね。それとのども丈夫だったのでしょう。でも今では考えられないスケジュールです。 エルヴィスの「ワン・ナイト」聴いてみてください。バンドとのやり取りを聞いているとこの日のブログラムにはなくて、即興でやったのかもしれません。最初は抑え気味で、徐々に興奮していく様子がわかります~。飲み物(ゲータレードらしい)を飲みながら歌い始めるのですが、後ろでチャーリー・ホッジがコップを受け取ろうと手を出しタイミングを計っているのがおかしいです。エルヴィスもよく飲みながら歌えるなあ、と。時間が短くて惜しい。もっと長く歌って欲しかった。最後のほうで左手を振り下ろすしぐさが好きです~。
もう一つのバージョンはこちら。最初のロボットのようなしぐさがいい。
エルヴィスも好きな曲だったと思います。33才のときのバージョンはこれ。こちらも、さりげなく始まって徐々に熱くなっていってます。ストラップがないのに立ち上がったりして。ここでも、チャーリー・ホッジがマイクスタンドを持ったりして大変そうです。
今回、エルヴィスの「ワン・ナイト」を探していると、トム・ジョーンズが歌っている映像にヒットしました。なんと去年の5月の映像。1940年生まれのトム・ジョーンズは御歳73歳。こちらも尾藤さんに負けず劣らず相変わらずの美声。 エルヴィスとはお友達で、エルヴィスもトムの歌唱力を高く評価していました。トムは、'One Nightを僕のお気に入りの1曲だと紹介しています。と同時に、実はこの曲は最初は'One Night of Sin'(一夜のあやまち)という曲だったけれど、レコード会社が難色を示し(青少年の教育によろしくないということだったのでしょう)、'One Night With You'になったということも説明してくれています。映像を見ると、トム・ジョーンズもおじいさんになったなあと思いますが、お元気そうです。
いや~、いい曲です。ロック魂がないと歌いこなせない曲だとも思います。もう一度尾藤さんの「ワン・ナイト」も聞きたい。尾藤さんのプレスリーメドレーが見つかりましたが、「ワン・ナイト」はなかったです。今日の湯川さんとの対談で、もしかしたらまたどこかでプレスメドレーを歌ってくださるかもしれないと話しておられました。楽しみです~。
尾藤さんのプレスリーメドレー。
by oakpark | 2014-01-11 20:57 | ELVIS