映画「荒馬と女」「ビリー・ザ・キッド」「小さな巨人」   

少し前にも書きましたが、6年くらい通っているカルチャーセンターの映画講座の講師が変わりました。今度の先生はどんな映画を選んでくださるのか楽しみです。あまり有名ではない隠れた名作を選んでくださるといいな。前の先生はイギリス人でしたが、今度はアメリカ人の先生なので、違った視点で映画を選んでくださるかも。

初回講座のテーマはアメリカ人の先生らしく「従来の西部劇とは違う本当のアメリカ西部」。悪者のインディアンが出てきて、正義のために白人がかっこよく決闘を繰り広げる、といったよくある西部劇とは一線を画する映画が取り上げられているのかなと私は解釈しています。

1回目は「荒馬と女」(1961,The Misfits)(監督:ジョン・ヒューストン 出演:クラーク・ゲーブル マリリン・モンロー モンゴメリー・クリフト
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これが遺作になったクラーク・ゲーブルが老いたカウボーイを熱演していました。この撮影が大変すぎて命を縮めたとも言われているらしい。出演作品が少ないモンゴメリー・クリフトを見られたこともよかったです。そういえば、私が贔屓にしている「ホワイト・カラー」のマット・ボマーがモンゴメリー・クリフトの自伝映画でモンゴメリー・クリフトを演じることが決定したようで、こちらも楽しみ。モンティの男前の裏に隠された暗さや寂しさ、狂気っぽいものをマット君がどこまで演じられるかな。この映画でもモンティは命知らずのカウボーイを演じています。マリリン・モンローはいつものようにかわいくて、いつものように「女」そのもの。荒くれの西部の男の世界では「女」という存在は歓迎もされるけれど邪魔でもあるんだなあと思いました。カウボーイという職業が時代遅れになりつつあるのにそれにしがみつこうとしている男たちと、男の世界を理解できない女の話し、かな。

2回目がこの前紹介した「ラスト・ピクチャショー

3回目は「ビリー・ザ・キッド」(1973, Patt Garrett and Billy the Kid) (監督:サム・ペキンパー 出演:ジェームズ・コバーン クリス・クリストファーソン)
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伝説のならず者ビリー・ザ・キッドと彼のライバルでもあり親友でもあったパット・ギャレットとの対決、心の交流を軸にしながら、廃れゆくカウボーイの悲哀、ガンマンやシェリフたちをめぐる価値観の推移などを描いた映画かなと思います。ときおり、キリスト教的モチーフがちりばめられていることも印象に残りました。ただ私には、なぜビリー・ザ・キッドがヒーローなのかわかりづらかったし、感情移入しづらかったです。元々はビリーと同じならず者で、保安官に転じてビリーと対決することになったパット・ギャレットの誇り高き佇まいをジェームズ・コバーンが渋く演じていて味わい深かったですが、なぜ彼がこういう生き方をしているのかも理解しづらかった。家族を支えるため?と言われても納得できない気がしました。「荒野の7人」でもかっこよかったですが、ジェームズ・コバーンにはひと昔前の「男くささ」があってかっこいいですね。 ビリーを演じていた、歌手&作曲家でもあるクリス・クリストファーソンは、私はエルヴィスを通じて名前を知っていました。エルヴィスが何曲か、彼の曲を歌っていますし、バーバラ・ストライザンドからエルヴィスへオファーがあった映画「スター誕生」への出演をエルヴィスが断ったことで、役がクリストファーソンに行ったいうエピソードを知っていたからです。でもこの映画は観ていません。いつか観てみたいな。人気のある大物なのでしょうが、ビリー役はあまり魅力的に思えなかった。とても21歳には見えないし。声はとっても素敵なのだけど。この映画で共演し、のちに結婚したリター・クーリッジとの熱々のデュエット。リタの声も素敵です~。

そしてやっぱり、エルヴィスバージョンも。

エルヴィスはほかに、クリストファーソン作の'Why Me Lord'というゴスペルも好きだったみたいでライブでも取り上げていますが、低音部分はバックコーラスのJDサムナーに歌わせ、気持ち良さそうに聞いていたようです。 クリストファーソンのWhy Me Lord 低いよ~。


さて映画の話に戻し、4回目の講座が「小さな巨人」(1970, Little Big Man)(監督・アーサー・ペン 出演:ダスティン・ホフマン フェイ・ダナウェイ リチャード・マリガン)
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この映画も講座をとっていなければ絶対観ない映画。レンタルショップにはなくて1500円で購入しました。南北戦争後の混沌としたアメリカで、ひとりの白人の男が白人社会とインディアン社会の間を行ったりきたりしながら、人生を学ぶお話し。ジャック(ダスティン・ホフマン)はある日、家族で草原を横切っているときにインディアン(ポウニー族)に襲われ家族を虐殺される。姉とともに残され恐怖に震えていたときにシャイアン族のインディアンに拾われインディアンとして育てられる。その後白人との戦いの最中に白人に助けられ、牧師の元に預けられ、敬虔なクリスチャンになるように育てられるが、牧師の妻(フェイ・ダナウェイ)の不貞を目撃し、信仰に疑問をもち逃げ出す。そしてヘビの油売りになり、、その後ガンマンになり、、、、などなど。アメリカの西部劇に出てくるいろんな要素をダスティン・ホフマン一人が体験していく、コメディ要素もある映画。長かったけれど面白かった。さらにこの映画について特筆すべきことは、この映画がアメリカ映画史においてはじめてインディアンの視点にたって作られたということ。つまりインディアン=悪者という描き方ではないのです。むしろ、自然界に存在するすべてのものに命があるとして平和に暮らすインディアンと金のため名誉のため醜い争いをする白人社会を皮肉っぽく対比して描いているのです。どちらかというと、白人=愚か者 という描き方です。白人たちが自分たちの欲のためにインディアンを保護地区に追いやったばかりでなく、保護地区で金鉱が見つかるやいなや協定を無視して容赦なく侵攻していき、女、子どもにも情けを見せることなく見境なくインディアンたちを虐殺したというアメリカの暗い歴史には心が痛みました。

そして、さすがダスティン・ホフマンは才能ある役者さんだなあと改めて思った映画でもありました。手に入りにくいとは思いますが、アメリカの歴史に興味のある人にはお勧めです。

by oakpark | 2013-11-30 17:06 | 映画 | Comments(0)

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