憧れの先輩   

先日テレビをつけたら、歴史ヒストリア「越路吹雪と岩谷時子」という番組を放映していて後半だけ観た。最初から観たかったなあと思うほど、心に響き、同時に遠い昔の自分を思い出した。女の子が女の子に憧れるってことあるなあ、と。岩谷さんにとって、越路さんは憧れの存在だったのですよね。越路さんは、いろんな人が憧れる、オーラのある女性だったのでしょうね。

中学時代、私にも憧れの先輩が2人いた。ひとりは純粋に尊敬していた先輩で、もうひとりは尊敬もしていたし、それプラス少し恋愛に近いような感情を持っていた先輩。女子校だったので、当然先輩も女性。あのときの気持ちって今思い出してもよくわからない。本格的に異性に恋愛する前の練習のようなものだったのか。13歳、14歳ころのことです。

2人ともひとつ上の学年のテニス部の先輩。恋愛に近いほうは、K先輩。テニスが強くて、サウスポーで、色黒で、ウルフカット(段カット、髪型です)がよく似合う人だった。テニスが強いのに、どこか身のこなしが女らしいところもあった。知的な雰囲気もあって読書家だった。覚えているのが、一番好きな本が「三銃士」だと言っていたこと。私も読もうと思ったのだけれど挫折した。彼女に憧れて、というのもあって、私はその先輩と同じように外部の大学を受験することに決め、結局同じ大学に入学した。私の通った女子校は大学まであったので、当時、外部の大学を受験するのは少数派。先生も受験勉強については一切指導してくれなかった。そこで、私はその先輩に相談し、たくさん参考書や問題集をいただき、勉強の仕方なども教えていただき、はれて合格することができた。私は文学部で、彼女は法学部だった。大学内でお会いしたとき、あの、テニスをしていたときの先輩とは全然違う雰囲気になっていてびっくりしたことを覚えてる。テニスはやめて、オーケストラ部に入っておられた。 いろいろ見学はしたけれど、やはりテニスしかできそうになくて、テニスサークルに入っていた私とは大違いだと思った。先輩は音楽の才能もあったんだ、やはり違うなあ、と思った。その後先輩とはほとんど会わなくなった。

もうひとりの先輩、S先輩は、とにかくテニスが上手で強かった。弱小テニス部にあって異彩を放っていた。大会では、みんな1,2回戦で負けてしまうのに、その先輩だけ、4,5回戦、県でベスト16とかベスト8とかに残るくらい強かった。勝ち残っているその先輩ひとりの応援に、みんながぞろぞろ応援に行くということも何度かあった。神戸の王子公園テニスコートとかに。ひとつ覚えている光景がある。私はそのS先輩の試合の玉拾いをしていた。相手は強豪の園田学園の選手。あの、伊達選手を輩出した園田学園ですよ。S先輩は、園田の選手相手に善戦していた。園田の選手は、こんなよわっちい学校に苦戦されていることであせっていた。もっとあせっていたのが、監督の先生。もしかしたら伊達選手を指導した先生かも? コートチェンジのときにその選手を大声で叱り、びっくりしたことに、気合を入れるためか、バケツに入れた水を彼女の頭の上からかけたのだ(もちろん夏のことです)。私は、心の中で、「かわいそうになあ、あんなに叱られて。でも、S先輩は実力者だからそこまで叱られなくてもいいはずなんだけどな。弱い学校だからってバカにされたら困るなあ。弱い学校にも強い選手はいるんだぞ」と思っていたことを覚えている。結局、S先輩の善戦むなしく、園田の選手が勝ったのだけれど、私は残念だと思うと同時になぜか、ほっとしたことを覚えている。

いつだったか、テニス部のみんなで、芸能人の誰のファンかということを言い合っていたときに、その先輩が「こーちゃん」といった。みんなが、は?という顔でいると、「越路吹雪だよ」と、普段は少年のようにりりしい先輩が少女になって顔を赤らめていった。私はそれでも、は?だったけれど、回りのみんなは納得していたようだった。テニスが強くやさしかったS先輩は、その頃から、本物を見分ける力があったんだなあと今になって思う。わりとはやめに結婚したといううわさを聞いたけれどどうしておられるか。きっといい奥さんになっているだろうな。

そういえば、私も逆に後輩からファンレターのようなものをもらったことあるんですよ。テニスはへただったけれど一応部長だったので。覚えているのは、その、熱心に手紙をくれていた後輩が高校生の頃、ボーイフレンドと一緒にいるのを見かけ、「あの子も成長したな」と思ったこと。ていうか、抜かされてるんだよ、とその頃の自分に言ってやりたい。

女子校って、興味深いところだったな。
e0123392_16554414.jpg

by oakpark | 2012-04-14 16:46 | 雑感 | Comments(2)

Commented by romi at 2012-05-22 23:52 x
Juneさま、凄いわね~私は一度も後輩に慕われたことがないので~(>_<)笑
笑っている場合じゃないんですけどね。
そもそも、部活を熱心にやっていなかったから無縁なのです。
Juneさまが羨ましい~~。
人生この先も、同性の方からファンレターを貰うなんて経験せずに終わってしまう私~。
学生時代って、今思うと本当に掛替えの無い素晴らしい日々でしたね。
もう少し若い頃は、嗚呼、学生時代のあの時ああしてれば!って思ったものだけど、今となっては当時の私の力量じゃアレで精一杯だったな…って思ったりします。
Commented by June at 2012-05-23 20:00 x
♫ romiさん

ありがとう~、読んでくださって。
羨ましいですか?でも、当時はね、男の子扱いされるのがいやだったんですよ。ショートカットで真っ黒だったから仕方がないと言えばそうだったんだけれど、当時から心は「おとめ」だったので。
中高一貫校だったから、高校を卒業したらイメチェンしようと、ずっと思っていましたよ。

romiさんは、学生時代どんな雰囲気だったのかしら。想像では、くるくると可愛い雰囲気だったのではないかしら。身長もそんなに高くなく。。。(実はすごく大きかったりして)

>当時の私の力量じゃアレで精一杯だったな…って思ったりします。
わかります~。こういう気持ち。私ももう一度あの頃に戻ってもやはり同じことをしそうな感じがします。冒険心はあるけれど、冒険できないのよ。いろんなことにしばられちゃう。周りの目とか親の目とかね。

<< 気持ちのいい季節 映画「親愛なるきみへ」(Dea... >>