映画 『永遠の僕たち』   

今日も寒いです。我が家のおねえちゃん、センター試験がんばっているかなあ。。。 私が編んだお守り代わりのひざ掛け、おばあちゃんからもらったお守り、友達からもらったタオルハンカチ、中学の時の塾の先生からもらったお守りなどを携えて出かけていきました。みんな見守っているからね~。

さて、きょうは先日、今年度初の映画館で観た映画『永遠の僕たち』を紹介します。
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『永遠の僕たち』 (Restless, 2011)  監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮

まず、ガス・ヴァン・サント監督だということで選びました。ガス監督は、私が映画好きになるきっかけとなった俳優の故リヴァー・フェニックスの晩年の代表作「マイ・プライベート・アイダホ」の監督で、リヴァーとは私生活でも仲が良かったそうで、その後もずっと意識してきました。最近では「ミルク (2008)」をDVDで観ました。男の子を魅力的に撮る監督のような気がしています。今回のこの映画は撮影場所が監督の故郷で、「マイ・プライベート・アイダホ」も撮影された、オレゴン州ポートランドということで、「マイ・プライベート・アイダホ」と共通点があるような気がして、バックの景色も含めて興味津々で観ました。

両親を交通事故で亡くし、自身も臨死体験をした少年が、病で余命いくばくもない少女と出会い恋に落ちる。見ず知らずの人の葬式に出席するのが趣味の一風変わった少年の唯一の友達が、少年にしか見えない神風特攻隊員の幽霊。少年が少女と出会うことで、三角関係が生じてくる。原題が「Restless」ですが、魂がrestしていないことでつながった少年と特攻隊員の関係や、二人が感じている閉塞感が、死が迫っているのにrestしている少女の存在により刺激を受け、変化していく物語だと思いました。出撃の前に恋人に手紙を書いたのに、出すこともできず宙ぶらりんの状態で死の世界の住人となってしまった特攻隊員が、恋人同士になって楽しい時間を過ごす少年と少女をを寂しげに見つめる姿がちょっぴりせつない。 

そう、このあたりなんて、「マイ・プライベート・アイダホ」に似ているのよ(と、急に言葉遣いが変わる)。リヴァーとキアヌが親友以上くらいに仲良くつながっていたのに、キアヌに恋人ができてリヴァーがさびしく去っていくっていうとっても切ない話だから。リヴァーは実生活でもキアヌのこと大好きだったみたい。。。 でも、ってことは、加瀬亮がリヴァー?? いや、ちがうでしょ。まあ、そんな、男二人と女ひとりの映画なわけです。

だけどですね~。今の私にはこういう映画はダメだ。親はどこにいるんだい?と思っちゃう。死を間近にして一番大切なのは恋人なのかよ、って。まだ10代なのに? それにベタベタしすぎるんだよ、そこの二人、なんて思っちゃった~。 ただ単に、私がオバサンだからと言えばそれまでなんだけれど、息子に彼女が出来たっていう現実も関係しているかも。。。 ゲイのガス監督には、母親の気持ちはわかんないかもね~と、思ったり。まあ、そういうことがテーマの映画ではないとは百も承知ですが。

でも、映像がとっても綺麗。ポートランドの緑豊かな景色も美しいし、少女のお洋服がとにかくかわいい。かなり意識してスタイリングしています、これは。映画の見どころの一つです。ヒョウ柄のコートに赤い手袋が色白のショートカットの少女に生えて、とっても素敵。 まあ、高校生のデートでそこまでおしゃれする?とも思ったけれど。一箇所、「マイ・プライベート・アイダホ」での一シーンと同じカフェで撮影したのではないかと思われるシーンがあって、個人的にぐっときました。

主演の男の子は、名前からもわかるように、去年亡くなった名優、デニス・ホッパーの息子です。ちょっと目の当たりが似ています。なかなかの美少年です。しかし何才の時の子どもなのかしら。映画の一番最後に、In Memory of Dennis Hopper のクレジットが出ました。ガス監督はそういうところがとても優しい人で、確かりヴァーの亡くなった直後の映画「カウガール・ブルース」でも、リヴァーの妹を起用し、最後にIn Memory of River Phoenixのクレジットがあったと思います。さて、デニス・ホッパーの息子、ヘンリー・ホッパーはこの後ブレイクするでしょうかどうでしょうか。演技的には少年も少女も、イマイチの感じがしたのですが。。。特に少女が病気のことを告白するシーン。あんなに淡白でいいのか?って思いました。でも10代の子達ってこんなもん?

幽霊役の加瀬亮は英語がとても上手です。今までハリウッドに進出した日本の俳優(私が知っているのは工藤夕貴とか渡邊謙)のだれよりも上手。ウィキペディアでみると、7才までアメリカに住んでいたとありますが、それであれだけ上手くなるのでしょうか、といううまさです。どんどん海外に出ていくといいと思います。日本人がハリウッド映画で活躍する姿も見てみたいですね~。

あと、驚いたのは、ただ神風特攻隊員という設定で日本人を出すだけではなく、ガス監督は、長崎の原爆の映像も映画に盛り込んでいました。広島ではなくて長崎なのですが、ドキュメンタリー映画ではなく普通の映画、しかもアメリカ人が作った映画の中に、原爆の映像が入るということに驚きました。この映画はいつごろ撮影されていたのかわからないけれど、もしかしたら東日本大震災のあとで、あの映像を挿入することにしたのではないかとも思うのです。世界に日本が経験した悲劇のことを思い出させるために。

別の話ですが、世界的デザイナーのジョルジョ・アルマーニが、東日本大震災後のショーで、日本を意識させるデザインのオートクチュール発表したをいう記事を新聞で読み感動したことがありましたが、今回改めて、世界が日本のことを気にかけてくれているなと感じました。だから尚更、この状況から正しく着実に立ち直っていき、世界の期待や信頼を裏切らない日本でいたいと思ったのでした。 その記事の写真はこれです。
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by oakpark | 2012-01-14 15:52 | 映画

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