しかし心配は無用でした。劇場は満員で、皆さんとても楽しんでいるようで、ラストのコンサート部分では観客も立ち上がって大盛りあがりでした。観客はシニアな方が多かったですが、だからこそ、音楽そのものに対する本物の情熱のようなものを感じました。私はコンサート部分がもっと長くてもよかったなあ、と思いました。もうアンコールはないよというお知らせ替わりの、例の'Elvis has left the building'のアナウンスとか、エルヴィスがスカーフをプレゼントするパフォーマンスとか、時代違うけど~、あれって、70年代の話だけど~、ってのはあったけれど、そういうのもご愛嬌です。全体を通して、ダンスがないので、ミュージカルというより、劇とコンサートといった感じですが、出演者全員歌がうまく、聴き応えがありました。特にジョニー・キャッシュ役の俳優さんがかっこよかったです。低音の声もよかったし。エルヴィスにはどうしても厳しくなりますねえ。でも、最後の「ハウンド・ドッグ」はなかなか迫力ありました。本物のエルヴィスはもっとすごかったのでしょうけれど。トニー賞をとったジェリー・リー・ルイス役の俳優さん、はピアノも上手で本人の雰囲気がとても出ていたように思います。カール・パーキンスもよかったです。本人とはあまり似ていないけれど、大柄でいかにも南部の男ってかんじでした。
そしてミュージカルの中でもよかったのがこの'Peace in the Valley' ハーモニーが美しかったです。紹介する動画は ミリオンダラー・カルテットの音源とエド・サリバン・ショーに出演した時の音源がミックスされています。エド・サリバンの時は、コーラスはいつものジョーダネアー、ミリオン~のときは主旋律がエルヴィスでコーラスがカール、ジェリー、なのでしょう(多分ジョニーはいない)。人数少ないけれどきれいです。
ジョニー・キャッシュのことは、エルヴィスファンになってから名前は知っていましたが詳しいことは全く知りませんでした。だからこそ、2005年にリヴァーの弟のホアキン・フェニックス主演で、映画「ウォーク・ザ・ライン」が公開されたとき、何はおいても、と劇場で鑑賞しました。低音と黒い服が特徴。TV番組「刑事コロンボ」げにゲスト出演したこともあります。'I Walk the Line'はこちら。'Folsom Prison Blues'はこちら。
約2時間でフィレンチェのサンタ・マリア、ノヴェッラ駅に到着、ホテルの位置を確認すると、駅からとっても近いじゃないの! ホテルを予約した私、えらい。思わず「近くてよかったね、よかったね」と夫にアピールしながら歩くこと5分、目的のホテルに到着。フロントは若い美しい女性。部屋に案内してもらうと、これまたびっくり。かなり広い上に、バスタブもあり、洗面台もふたつ。しかもwifiは無料。ヴェニスのホテルではアカウント一つあたり1ユーロだった。このあとローマでは2泊したので、イタリアは全部で4泊だったけれど、このホテルが一番良かったわ~。Albani Hotel といって、1泊148ユーロでした。
ソファに座ってくつろいでいると(夫はパソコン室でパソコン)、スカイプで大きな声で誰かとしゃべっているアメリカ人家族に遭遇。「大きな声だなあ」と思っていたら、私の隣でカシャカシャパソコンをいじっていたおじさんもにやっと笑っている。直感で'Are you American?' と聞くと「そうだよ。でも彼らとは関係ないからね」と、本当にしょうがないやつらだと言わんばかりの表情。少しだけ会話するに、早朝から観光を始めたので、ほかの家族は疲れて寝ているそう。私が「夫はパソコンをしています」というと、勝手に仕事をしていると解釈したらしく「今、経済が大変だよね」なんて、私の苦手な分野に話題が行きそうな雰囲気に。まずい、と思い、適当に相槌をうちながら話を終わらせる方向へ。おじさん、あすはローマに行くからと言っていたので、すかさず、私たちもあさっていくんです、と返す。すると、「じゃあ、コロッセオで会いましょう」「そうですね」なんていうことになり、終了。でも、感じのいいおじさんだったな。
そしてまた水上バスでサンタ・ルチア駅へ。電車の時間まで少し間があるので、駅の中にあるお店でちょっとしたものを食べることに。ケースの中に入っているピザを注文したいのだけれど、どうやら周りの人を見るとチケットらしきものを持っている。で、横にいたバックパッカーの若い女性二人連れに 'Do you speak English?' と聞くと'Yes!'と嬉しそうな返事が。「あの~、チケットを買わなければいけないのでしょうか」「そうよ、あのレジのところで欲しいものを言ってチケットを買うのよ」「てことは欲しいものの名前を覚えておかなければいけないってことですね」「そうそう。silly よね」 これ!と指差すだけで買い物をするつもりだったのに、大きな誤算が。イタリア語で書かれた商品名を一生懸命ローマ字読みで覚え、レジへ。無事に私の欲しかったピザを買えたのだけれど、あとからメニュー表を見ると、ピザはどの種類も同じ値段でした。単に「ピッツア」って言えばよかったんだね。あの女の子達もアメリカ人かなあ。感じよかったです。
新幹線よりカラフルなユーロスター。