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映画「ビッグ・リボウスキ」(1998)   

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監督:ジョエル・コーエン    出演:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシュミ、ジョン・タトゥーロ  フィリップ・シーモア・ホフマン

カルチャーセンターの映画講座、英語版の今回のテーマは「コーエン兄弟作品」。一回目が「ファーゴ」で、2回目の今日が「ビッグ・リボウスキ」でした。

最初にこの映画を観たときは、ぎょっとした、というか、なにこれ?何が言いたいんだ、どこがおもしろいんだ、って感じでしたが、いつものようにジェフ先生の宿題プリントを見ると、はは~ん、こういうことかと、思い、もう一度見ると、いろんな場面でくすくすと笑えてきました。本当は、一回目である程度わからなければいけないんでしょうけれどね。まだまだ、未熟者ですわ、私は。映画は奥深いな~。

授業を受けて私が思ったのは、とても「アメリカ的」な映画だなってこと。アメリカにいそうないろいろなタイプの(多くはちょっと変わった)人たちが出てくるし、せりふの中にも、アメリカが抱える問題、もっと広げて、現代社会を象徴するような様々な現象だとかが、ぽんぽん出てくる。こんな人いるよな~、とか、こんなことあるよな~と思いながら見ると、とっても面白い。そんな映画でした。

私が気づいた、アメリカ的、あるいは現代社会的なことはというと。。。。 「儲け主義」「格差問題」「ヒッピー文化」「人種差別」「前衛アーティスト」「ヨガ」「スピリチュアル」「ユダヤ教徒」「ベトナム退役軍人」「ナチス」「事なかれ主義の警察官」「カウボーイ」「ボーリング」「ニヒリスト」「ポルノ」「少年愛者」「イラク問題」なとなど。ほかにも、いろいろありますね~、きっと。太古の昔にはいなかったような種類の人たちが、現代社会、特に都会にはあちこちにいて、社会は微妙なバランスで成り立っていますよね。このバランスが崩れると、悲惨な状況になってしまう。この映画でも、あちこちで小爆発を起こしながら、最後は何とか平和に落ち着くといった展開でした。

ジェフ先生が指摘してくださった、もうひとつの大きなテーマは「男らしさとはなにか」ということ、です。女の力に押され男はどう生きていけばよいのか。そういった疑問や恐れが、さまざまなモチーフを使って、映画の中にちりばめられているそう。ジェフ・ブリッジス演じる、主人公のデュードの夢の中に出てくる、でっかいはさみは、そういった恐れの象徴だったのですね~。なるほど~。

それともうひとつ、この映画はレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を意識して作られたというのも意外でした。タイトルの「The Big Lebowski」というのはチャンドラーの「The Big Sleep」(「大いなる眠り」、ハンフリー・ボガード主演の映画のタイトルは「三つ数えろ」に変えられている)を意識して作られたものだとか。大金持ちが身代金を要求されるとか、誘拐された女性がポルノに関わっているとか、そういえば、似ているぞ。でも、主人公を比較すると、フィリップ・マーロウと浮浪者みたいなデュードは違いすぎる~。

ストーリーを簡単に言うと、、、ある日、ロサンジェルスに住む無職のぐーたら男のリボウスキ(通称「デュード」)は、ならず者たちに家に押し入られ、大事なじゅうたんを汚されてしまう。同姓同名の大金持ちのリボウスキに間違えられたからだった。大金持ちのリボウスキには若い妻がいて、多額の借金を抱えていたので、ならず者たちはその取り立て屋だった。この話をボーリング仲間の友人に話したデュードは、友人の一人、ベトナム退役軍人のウォルターにたきつけられて、だめになったじゅうたん代としてその大金持ちから金を奪ってやろうと思いつく。ところが、車椅子の大金持ちはデュードの何倍も舌が滑らかで、デュードのことを散々侮辱した上に、お前のような負け犬は、とっとと出て行けと追い返す。あきらめて元の平和な生活に戻ろうとしたデュードだったが、大金持ちリボウスキの若妻が身代金目当ての誘拐にあい、あれほど冷たかったリボウスキから、報酬を渡すから、身代金受け渡し役を引き受けてほしいと頼まれたから、さあ大変。ここからは、へんなことがたくさん起こって、ある意味ミステリアスな展開となります。ぎょっとする(血の出る)シーンもあるけれど、結局のところ、殺人事件はないので、まあ平和的に解決したといえるのかな。ドニー(スティーヴ・ブシュミ)は気の毒だったけど。

あと、おもしろかったのが音楽の使い方です。最初の曲「Tumblin' Tumbleweeds」はエルヴィスが歌ったことがある曲なので、オールディーズだとすぐわかりました。tumbleweedって辞書を引くと、「回転草、回転散布植物」とあります。へ~、そんな植物があるのですね。草が球状になって荒地を転がり、天使の町、ロサンジェルスへと転がり落ちていく冒頭シーンは、象徴的なのかも。 元は古いカントリーの曲みたい。
エルヴィス(と仲間たち)の「Tumblin' Tumbleweeds]
映画ではこのバージョンかな。Roy Rogers & Sons of the pioneers。
たしか、映画中に2回この曲が流れたと思うと、なんともまぬけなかんじというか、場違いに平和的というか、変なおおかしみがありました。全身紫の洋服に身を包んだジョン・タトゥーロがボーリングをするシーンでは、ラテン風?の「ホテル・カリフォルニア」。これこれ(笑)。いかにも勝ち組のアメリカを象徴するかのようなイーグルスを主人公のデュードが毛嫌いしているってのもわかるなあ。ほかには、デュードとウォルターがファミリーレストランで言い争いをするシーンで、場違いな感じのする、デビー・レイノルズの「タミー」が使われていたのもおかしかった。このウォルターという男、なんでもかんでもベトナムに関連付けて論じようとするの。金目当てでリボウスキと結婚した(であろう)お気軽な若妻のことを「このアマ、何考えてんだ。俺の仲間が、ベトナムでクソの中で死んでいったというのに」なんて調子。いつまでも過去を引きずっている男なのです。お気軽な若妻といえば、彼女のテーマソングのように使われていたのが、なんと、エルヴィスの「ビバ・ラスベガス」ですよ。歌っていたのは別の人でしたが。 お気軽といえば、これほどお気軽な歌はないかもね。 でも、こうして、「アメリカ的」な映画には、必ずといっていいほど、どこかにエルヴィス関連が出てくるので、それを見つけるのも楽しみのひとつ。やはり、エルヴィスはアメリカそのものといったかんじがしますね。良い意味でも、悪い意味でも。

そして最後に、主演のジェフ・ブリッジスが名演でしたね~。まるで本物の浮浪者のようでしたよ。本当はとってもハンサムなのに。私が好きな映画のひとつ、「ラスト・ショー」には、若いジェフ・ブリッジスがシビル・シャパードを惑わす色男役で出ています。この映画もお薦め♪
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by oakpark | 2009-07-25 00:34 | 映画 | Comments(4)

近況報告♪   

7月の10日過ぎから患い始めた夏風邪が今だ完治せず、日記どころではありませんでした。やっと体調が戻ってきたので、近況報告をば。

★皆既日食
皆さんは、興味あり派?なし派? 
我が家では、私はなし派、夫はあり派です。子ども三人の中では長女が一番あり派に近いかも。彼女はなんにでも、とりあえず興味を持つタイプなので。学校の生物の先生が昨日から学校をお休みして、香港かどこかに日食ツアーに行っているということも関係しているかな。公立高校は今日まで学校がありますから。先生も大変。日食が最大となる11時ごろ、関西出張中の夫から興奮した様子で「東京は晴れてる?」と、電話がありました。ちょうど、たんすの整理をしていた私は、「さあねえ、それがどうしたん?」 と言ったあと、ああ、あれのことか、と思いました。関西地方も曇りで夫は残念そう。 そういえば、結婚前も「ハレー彗星を見に行く」とかで、早朝から連れ出されたことがありましたっけ。あまり物欲のない夫が、小学生の頃初めて親にねだって買ってもらった高価なものが天体望遠鏡だったそう。我が家の子どもたちが小学生の頃に、「子どもに木星を見せてやる」とかいって、実家から取り寄せた、その望遠鏡は、今、子どものベッドの下でほこりまみれになっとります。夫と私は、興味とか好みとかの点でほとんど共通点がありません。共通点はどちらもおしゃべりなことくらいかな。。

★日本語映画講座
カルチャーセンターのジェフ先生の講座始まりました。一回目が「宮本武蔵」、2回目が「七人の侍」、以下「切腹」、「大菩薩峠」、「たそがれ清兵衛、と続きます。一回目の「宮本武蔵」は稲垣浩監督の三部作で、日本では「宮本武蔵」、「続・宮本武蔵 一乗寺の決闘」、「宮本武蔵・完結編 決闘巌流島」とタイトルがついていますが、海外では「SAMURAI」というタイトルで三作品がひとつのボックスに I, II, II と入っているのです。授業の時にジェフ先生がご自慢のボックスセットを見せてくださいました。つまり、海外では 侍=宮本武蔵という認識になっているのかもしれません。 ジェフ先生は大学の映画講座で、先生が見せてくれた日本映画に感銘を受け、日本に興味を持つようになったそうです。最初の映画は小津安二郎監督の「東京物語」だったとか。あれのどこが、そんなに感銘を受けるのか。う~ん。よい映画だとは思ったけれど、ものすごい衝撃的とは思わなかった私は、とっても不思議です。外国人が見る日本って、どんなふうに映っているのかな。ジェフ先生の授業はどんなふうに進行するかというと、あらかじめ映画に関する質問がファックスで送られてくるので、生徒はそれについて一応の回答を用意した上で授業に臨むという形です。なので、先生の質問を読むと、はは~、こういうところに注目して映画を観ればいいのだな、というのがわかってきます。まあ、あくまでジェフ先生的な見方ですが。 今回の質問の第一問が「佐々木小次郎が登場する最初のシーンの背景に美しい滝が映し出されているが、佐々木小次郎はその景色に気づいているか?」です。 もう少しあとの質問には「宮本武蔵は決闘を1年後に伸ばしたが、その間何をしていたか」です。答えは農業。はは~ん。きっと先生は、武蔵&自然(土地)、小次郎&反自然・出世欲 的な切り口で行くつもりだな、なんて予想しました。 でも、なんだか、これだと、武蔵ばかりいいもんで、小次郎はわるもんみたい。日本では佐々木小次郎の人気も高いですよね。どのあたりが人気があるのか、その辺も、日本人の歴史通の人に聞いてみたい気もします。イギリス人のジェフ先生に、日本人の私たちが、教えられるだけでなく教えてあげたい気もしましたが、歴史や日本文化に(にも)疎い私、なかなかそうはいかないなあ。花魁と芸者の違いは?なんて聞かれてもようわからんわ。

★ 高校野球
娘の通う高校が1回戦を突破したので2回戦を見に、1時間半かけて自然豊かな地にある球場まで足を運んできました。娘は部活が忙しいのでパス。夫は関西出張。ところが夫は、ちょうど日程が合ったようで、ちゃっかり母校の応援に行っていました。さて、間近で見る高校野球は、やはりすばらしかったです~。去年も近くの球場であった地方大会を一試合見たのですが、とても感動しました。そのときは、娘の学校ではなく、私の知り合いのお子さんが選手として出場している別の高校の試合でしたが。高校野球といえば、控えの選手、応援団、チアガール、OBたち、選手の親御さんたちが、一体となって応援する姿が印象的です。今回私が見に行った時には、5回が始まる前あたりで、野球部のお母さん方が、応援席にいる全員にジュースを配っておられました。聞くと、恒例のことだそうです。そこにいる人がどういう人かなんていちいちチェックしていないので、言ってみれば、無関係の人でもそこに座ってさえいれば、ただでジュースをもらえるわけで。野球部の親御さんたちも大変ですね~。試合は負けてしまいましたが、エラーはそれほどなくて、引き締まったゲームでよかったと思います。レフトの選手が飛び込んでフライをキャッチしたときは、やんややんやの大歓声。まるで勝ったかのような騒ぎようでした。つまり、それだけめずらしいってこと?いやいや、守備はよかったと思いますよ~。ただ、バッティングがね。フライが多すぎた。それと野手の正面ばかり。私のテニスもそうですが、正面にばかり行くのは性格が素直なせいかも(笑)。

みなさんは、どんな夏をお過ごしですか?

by oakpark | 2009-07-22 12:45 | 雑感 | Comments(8)

梅雨が明けた!   

今年は例年より早く梅雨が明けましたね。
リビングが東向きの我が家は朝から太陽が照りつけて、暑い暑い。。。

さて、私、夏風邪をひいてしまい、テニスをお休みしています。 夏風邪は次女→長男→私へと移ってきました。暑い季節の風邪っていやです。でも、もうあと1,2日で完全復活しそうです。

夏の高校野球の予選が始まりましたね! 去年の日記にも書きましたが、長女が高校生になったとたん、高校野球熱が再燃した私です。今朝も新聞を開いてまず見たのが、高校野球の結果。神奈川版、それから全国版へと。今注目の政治関係の記事は後回し。チェックしたのは、神奈川、大阪、東東京、兵庫です。神奈川はもちろん自分が住んでいる場所であり、娘の高校のある県だから。大阪は独身の頃に勤めていた高校があるから。東東京は知り合いで野球部員のK君の学校があるから。そして兵庫は自分の出身県だからです。弟の母校もあるし(あまり興味はないが)。昨日の試合で、娘の学校は一回戦を突破しました!2回戦は土曜日にあるので、ちょっと遠いけれど、見に行こうかな。昨年も一回戦を勝ち、2回戦に進みましたが、平日で仕事があったので行けませんでしたので。娘に言うと、あまり興味はなさそうだった。クラスに野球部の子は二人いるらしいけれど、娘の好みのタイプではないのかもしれない。昔の勤め先の学校も勝っていたぞ。強いのかな。それとも相手が弱かったのかな。昔高校に勤めていた頃何度か試合を見に行ったなあ。そのときのピッチャーはN君。顧問の先生に「虫が止まるほど遅い球」と言われながら、その遅い球を武器に一回戦でノーヒットノーランを達成したのを覚えているけれど、今頃どうしているだろうか。自分の子どもに野球を教えていたりして。東東京のK君の学校はいきなり強豪校とあたり、負けてしまっていました。一昨日に激励のメールを送ると、ちゃんと返事をくれました。一度K君の勇姿を見たかったけれど、残念だったな。

カルチャーセンターの映画講座で、ジェフ先生が新たに「日本映画講座」を開くことになり、どんなものか受講してみることにしました。あまりにも負担(時間的&経済的)が大きいようだと1期でやめるつもりなのですが、イギリス人の先生が英語で進める日本映画講座ってどんなん?という好奇心から受講してみることにしました。 一回目の宿題が「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」ですよ~。わ~ん。全然私らしくないでしょ。宮本武蔵ってどんな人?なぜそんなに有名なの? 侍映画のどこがいいの?全くわからない私ですから。 とりあえず、昨晩見てみたんです。でも、、、、よおわからん。鶴田浩二が若い、クール。岡田茉莉子がかわいい。いまどきのタレントに似ている人がいそう。八千草薫は可憐。いまどきのタレントに似ている人はいなさそう。って、それくらいしか、感じなかった。。。。でも、どうも、話の流れを理解するには、3部作の1作目「宮本武蔵」と2作目「宮本武蔵 一乗寺の決闘」を見なきゃいけないような気がするのですよね~。まあ、人生、回り道も大切ということで、残りの二作も見てみようかな。

そんなこんなのきょうこのごろです。

by oakpark | 2009-07-15 11:08 | 雑感 | Comments(9)

今でも上手だった!「アリス」   

先ほど、NHKで「SONGS」という番組を観た。今日取り上げられていたアーティストは「アリス」。私が音楽に興味を持つきっかけになったバンド。最初にのめり込んだアーティストだ。なんと、28年ぶりに再結成されるらしい。へ~、と思いながら番組を観ていたら、予想以上に感動してしまった。谷村新司は今でもやはり歌が上手だったんだ!

私がアリスに初めて出会ったのは、今でも決して忘れない、高3の11月だった。深夜ラジオを聴くことを覚えたのもこの頃で、偶然流れてきたアリスの『チャンピオン』という曲にどっき~んとした。この声好きだ!と思った。そう、曲というより、声にほれたんだと思う。すぐにカセットに録音した。そして、今振り返っても滑稽なのだが、友達にこの名曲を聞かせようと思い、翌日、そのカセットを入れたラジカセ(結構大きいやつ)を学校まで持っていった。電車と徒歩で50分はかかる学校まで。ウォークマンなどない時代、友達に曲を聞かせるにはその方法しかなかった。そして友人のKに「ねえ、ねえ、わたし、アリスっていうグループのファンになったよ。特にボーカルの谷村新司の声がいいんだよ。この曲聞いてみて!」と興奮しながら言ったのだった。Kは「ふ~ん」と言った。私よりお姉さん格だったKは、当然、当事すでに世間一般にはある程度の人気があったアリスのことは知っていた。そばにいたHも知っているようだった。へ~、二人とも知っているんだ。私が発見したわけではないんだ、と思った。それもそのはず、当事のアリスは、すでに6枚目のアルバムを出していたベテランで、『今はもう誰も』や、『冬の稲妻』といったヒット曲もある人気バンドだったから。Kは、私に向かって、そんなことも知らなかったのか、というような表情を浮かべながら、「で、顔見たことあるの?」と言った。私は、え?何でそんなこと聞くのだろうと思いながら、「ないよ」と答えた。Kは、冷笑を浮かべながら、「じゃ、明日写真を持ってきてあげる」と言った。Kは野口五郎や沢田研二(つまりイケメン?)のファンだった。 次の日、Kが持ってきてくれた谷村新司の写真を見ながら、なぜKがそんなことを私に聞いたのか、わかった気がした。一瞬ひるみそうになったが思いとどまった。そんなことより、声よ、音楽よ、と思った。音楽に目覚めた瞬間だった。そして、どんどん、アリスにのめりこんでいった。

当事はまだ、レコードレンタルショップなんてなかったと思う。いや、あったのかもしれないけれど、私の家の近所にはなかった。自分のお小遣いでアルバム「ALICE V」と「ALICE VI」は買ったけれど、それより前のアルバムは、持っている人を探して貸してもらおうと思った。クラスのめぼしい友人に声をかけて集めた。音楽に詳しい人たちを友人に持っていたHが「〇〇ちゃんが持っているらしいよ」と教えてくれたこともあったと思う。私は音楽に詳しい人たちとはあまり親しくなかったので、友人のつてや、友人のつてのつて、なんかを使って恥も外聞も捨て、アリスのアルバムをかき集めた。結局、IからVIまで、全部そろえることができたと思う。デビュー曲は「帰っておいで恋人よ」。初々しい歌い方だった。もっと昔からアリスを知っていればよかったと思った。その数年前に、高校と同じ敷地内にある系列大学の大学祭にアリスが来たということを知って地団太踏んで悔しがったりもした。とにかく、その日から大学受験まで、友人のアルバムをかき集めて作ったアリスのカセットを毎日毎日、擦り切れるほど聴いた。谷村新司がパーソナリティをつとめるラジオ番組も全部聴いた。リクエスト葉書も出した。谷村新司が「誰かのことを嫌い、なんて言っちゃだめ。どちらかというと好きじゃないという言い方をしなさい」とラジオで言えば、その通りに実践しようと決意した。アリスは、谷村新司は、当事私の憧れの人で、先生で、彼の言うことは何でも信じた。『美しき絆』ハンド・イン・ハンドと言われたら、そうだ、そうだ、と思ったし。いや~、若かったなあ。アリスと聞けば、受験勉強の日々を思い出すなあ。

私は谷村新司ファンだったけれど、堀内孝雄ファンの友人と歌詞について語り合ったりもしましたね。アリスにはボーカルが二人いて、その二人が対等であるというスタンスを貫いていたことが個性的だったと思う。基本的に作曲者が主にボーカルをとっていたので、アルバムを聞きながら声を聞き分け、この曲はチンペイさん(谷村新司)が作曲したんだな、この曲はベーやんだな(堀内孝雄)と確認しながら聞くのも楽しみのひとつだった。対等な二人の競い合うように重なり合う力強いボーカル、ハーモニーが好きだったな。ドラムのきんちゃん(矢沢透)は、そのつなぎ役、癒し系でしたね。きんちゃんがいなかったらけんかしそうな勢いの二人だった。それ位対等にぶつかり合うボーカルだったな。私はそういうアリスが好きだった。きんちゃんもアルバムの中で一曲くらい歌っていましたっけ。

だから、谷村新司がソロになって、大ヒットを飛ばした「昴」という曲は、実は私はあまり好きではない。私の母はこの曲が好きで、いい曲だね~と言ってくれ、そのときはファンとして誇らしくは思ったけれど、私自身は、私の好きな谷村新司の歌い方じゃないなと思っていた。妙に落ち着いて説教くさい善人の歌、というかんじで、アリスというバンドでの谷村新司が好きだった私には違和感があった。ソロアルバムのほかの曲も似たり寄ったりのバラードが多かった。もう、昔みたいな躍動的な歌い方はできないのかな、とさえ思った。

ところが!先ほどテレビで60歳の谷村新司の歌を聴いて驚いた。昔とほぼ同じように歌っている。力をセーブするような、変に大人びた歌い方ではなくて、全力を出す歌い方に近い。声を伸ばし、最後のほうを微妙に上げたり下げたりするところも昔に近い。このテレビ収録のために特別にボーカルトレーニングも積んだのかもしれない。何年か前にテレビで聞いたときよりうまくなっている気がした。やっぱりいい声。やっぱり上手。ちょっとうれしかった。60歳のアリス、何をいまさらと思う人もいるかもしれないけれど、私は、彼らから力をもらえると思った。再結成ライブ、行ってみようかな。。。。

再結成のきっかけになったらしい、初期の曲「明日への讃歌」を聴いてみてください。私もこれ、大好きだった。昔の谷村新司は不機嫌そう。

私がアリスのファンになるきっかけの曲は「チャンピオン」。この曲も谷村と堀内のボーカルが交互にきます。どこで入れ替わってかわかりますか?

初期のヒット曲では「冬の稲妻」も良いけれど、私は、ポップでいて切ないメロディのこの曲、「涙の誓い」が好きです。今日の番組のラストは「帰らざる日々」でした。

つけたし。。。
アリスといえばやはりこの曲もはずせない。私にとっても思い出深い曲です。この曲を聴いて、エレキギターってかっこいい、とはじめて思ったと思う。ベーやん作曲、ベーやんボーカルの「遠くで汽笛を聴きながら
年輪を重ねた「遠くで汽笛を聴きながら」。昔では絶対ありえなかったけれど谷村新司も歌っています。名曲にはその年齢ごとの味わいがある。

by oakpark | 2009-07-09 00:50 | 思い出の曲 | Comments(7)

友達つながり映画   

観る映画を選ぶとき、自分の好みや自分の持っている情報だけに頼ると、どうしても偏った選択になってしまうし、迷いすぎて選びきれないことも多々あります。そんな時、友達が話題にしていた映画を選ぶことにしています。今回は友達からの情報をきっかけにして鑑賞するに至った映画を紹介します。

*『迷い婚』 (2005年) ロブ・ライナー監督   ジェニファー・アニストン、ケビン・コスナー、シャーリー・マクレーン、マーク・ラファロ
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マーク・ラファロ ファンのお友達が教えてくれた映画。設定がなかなか面白かったです。ジェニファー・アニストンが結婚を目前にして迷い始める、、、というお話なのだけれど、なんと自分の家族が映画『卒業』のモデルだったというお話。つまり、ジェニファーのおばあちゃんのシャーリー・マクレーンがアン・バンクロフトでケビン・コスナーがダスティン・ホフマンよ!ひえ~、面白そうでしょ。面白そうと思った方はぜひご覧になってくださいナ。で、肝心のマーク・ラファロ。大きい役ではありませんが、彼はなかなかの演技派ですよ。『帰らない日々』でもうまかったしね。でも、フレディー・マーキュリーに似ているっていうのはどうかなあ。似てるとしたら目元と口元?で、横顔?正面からは似てないよ。顔の幅が違うもの。。

*『幸せの1ページ』 (2008年) マーク・レヴィン監督   アビゲイル・ブレスリン  ジョディ・フォスター 
ジェラルド・バトラー
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上記のお友達が、ジェラルド・バトラーもお好きということでこの映画をチョイス。あちこちブログでも褒められていたしね。私の感想は、子どもと一緒に観たい娯楽映画だな、です。楽しいけれど、少し物足りなかったです。元来ファンタジー苦手だし。アビゲイル・ブレスリンは、私のお気に入りの映画『リトル・ミス・サンシャイン』のかわいい女の子。彼女はけなげでひたむきな女の子を演じるのが上手。涙ぐまんばかりの一生懸命さが伝わってきて、ついつい応援したくなります。今後どんなふうに成長するかな。ジョディ・フォスターが潔癖症でひきこもりの冒険作家をコミカルに演じています。で、肝心のジェラルド・バトラーは、一人二役なのですね。私、これに気づいたのが、映画の終わる10分前くらい。外人の顔を見分けるのに自信がのにあったのに、ショックだわ。

*『君のためなら千回でも』 (2007年) マーク・フォスター監督
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子ども嫌い、もとい、子どもの出てくる映画嫌いのお友達が「よかった!」とおっしゃるので、ぜひ観てみたいと思った映画です。原題は「The Kite Runner」。ソ連侵攻前後のアフガニスタンを舞台に、主人の息子と使用人の息子、二人の少年の間に流れる友情と嫉妬、憎悪、その後の後悔、つぐないを描いた物語。「君のためなら千回でも」の日本語訳がいいです。このせりふ、劇中に2回出てくるのですが、2回目で私はどっと涙を流してしまいました。もともとはなんといっているのかしら。文字通り訳しているのか意訳なのか、どうなのかしら。特典映像で監督(かプロデューサー)が、せりふを英語にするか現地の言葉にするか迷ったと語っていましたが、現地の言葉で正解だったと思います。リアルにアフガニスタンの人々の悲しみを感じることができました。

*『安城家の舞踏会』 (1947年) 吉村公三郎監督  滝沢修  森雅之  原節子
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森雅之が日本の三大美男(五大美男だったけな)のひとりと断言するお友達に教えていただいた映画。没落していく華族が最後に舞踏会を開こうとするお話でした。「没落していく華族」というところで少し前に読んだ、太宰治の『斜陽』を思い出しました。どの家族にも時代の大きなうねりに飲み込まれていくタイプとたくましく生き延びようとするタイプがいるのですね。森雅之は一家の長男。知的で女にもてて、それでいていい加減な男という役どころ。確かに美男です。でも三大に入るかどうか、私は自信がありませんな。そこまで日本映画を観ていないし。美男って形(パーツの配列)だけでもないだろうし。美女がそうでないように。姿かたちだけでなく、かもし出される雰囲気とか色香で印象度が違いますもの。そういう意味で、やはり、原節子は雰囲気のある女優さんなのかなと思いました。純粋でひたむきで親思いの娘役がぴったり。愛する父親に向かって、言いにくいことをもじもじしながらも一生懸命伝えようとするシーンが私は心に残りました。

*『路上のソリスト』 (2009年) ジョー・ライト監督   ジェイミー・フォックス ロバート・ダウニー・Jr
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チェロ好きのお友達に誘われて観にいった映画です。でも、この映画、チェロのお話というより、ロスの路上生活者のお話でした。そういえば、私が15年前にロスに行ったとき、路上生活者の多さにびっくりしたことを思い出します。サンタ・モニカという観光客にも人気の街にも、たくさん路上生活者がいました。スーパーの大型カートに荷物一式を入れて、人の目をはばかるでもなく大通りを闊歩(?)しているのは不思議な光景でした。この映画でのジェイミー・フォックス演じる路上生活者のナサニエルは屋根のある所で寝ることができない。このあたりが不思議。その理由を説明するシーンがないでもないけれど、私はいまひとつわからなかった。なんで?ってかんじ。ナサニエルに興味を持ち、友情まで抱くようになったロバード・ダウニー・Jrが「ナサニエルが部屋で寝たんだ!」なんて言って喜ぶシーンもさらに不思議。なんで?なんで? 反対に部屋に引きこもって外に出ることのできない人もいるわけだから、人間ってなんて難しい生き物なのでしょう。

では、では、お友達の皆さん、これからも私の知らない映画のことを教えてくださいね。

by oakpark | 2009-07-04 01:56 | 映画 | Comments(12)

ウインブルドン見てますよ~。   

ここ数日、NHKで夜0時過ぎから放送されているウインブルドンを少し観てから寝るのが日課になっています。明日のことを考えるとあまり遅くまで起きてはいられないので、面白い試合だと第1セットを、そうでない試合だと第1セットの途中までを見ています。ちょうど今は、女子の試合、セリーナ・ウイリアムズ対デメンテチェワを見ているところ。

こんなに熱心にウインブルドンを見るなんて初めてです。昔、硬式テニス部に所属していた中学時代も、テニス同好会に所属していた大学時代も見たことなかったです。 実は最近、久しぶりにテニスに燃えています。というのも、つい先日、お友達に誘われてテニスの試合に出たから。試合といっても、通っているテニススクール内で開催される初、中級者対象の大会ですが。久しく封印していたテニスを再開したのが去年の秋だから、試合に出るなんて早すぎるし自己嫌悪に陥るのはわかっていましたが、せっかくお友達が誘ってくれたことだし、いい経験かもと思い決断しました。でもやはり、試合前日になると怖気づいてしまって、雨ふれ~、雨ふれ~と祈ったのですが、前日降っていた雨もすっかりあがり、試合決行となってしまいました。真剣な試合なんてほ~んと久しぶりだから、脚ががくがくするくらい緊張してしまいました。結果は2勝2敗で、私としてはまあまあだったのだけれど、相方は不満そうでした。ごめんね、Yちゃん、足引っ張っちゃって。でも今回、私にとっての収穫は、あんなにも忌み嫌っていた試合を意外にも楽しめたこと。昔は練習では楽しめても、試合になると極度の緊張に陥り、楽しめたことなんてなかった。今回もやはり、練習のようには打てなかったけれど、ゲームという駆け引きが意外に楽しかったのです。なぜでしょうね。トシのせいかな。ふてぶてしくなったとか? 相手に決められたらものすごく腹が立つし、サイド抜いたりしてこっちが決めたらスカッとする。もっと決めたいと思う。まだ自分に闘争心のようなものが残っていたことも発見でした。勝利の喜びっていいなあと思った。おいしいものを食べたり、いい映画を観たりいい音楽を聴いたりしたときに感じる喜びともまた違う。別に普段からそんなことを意識しているわけではないけれど、人はだれでも、一歩でも他人より前に行きたいという欲望があると思う。原始的で基本的欲望だ。勝つとうれしいものだ。そんな当たり前のことを実感した、テニスをもうちょっとがんばってみようかな、と思った一日でした。Yちゃん、誘ってくれてありがとうございました。(一週間は筋肉痛でつらかったけど)

で、テニスをがんばるためには、最高峰のテニスをこの目に焼き付けなければ。ウインブルドンの選手と私とでは、間に無限大マークが入るほどレベルが違うけれど、最高レベルのテニスを見ていると気持ちが高揚してきます。イメージトレーニングにもいいです。上手な人のテニスを見てから自分がプレイすると、ちょっとだけうまく打てる気がします。これから、練習に行く前は、先日録画した杉山愛対ハンチェコバの試合を見てからにしたらいいかもね。(杉山、惜しかったな)

ウインブルドンっていいな~と思うのは、選手のウエアの色が全部白だから。緑の芝に白のウェアが映えます。最近はいろんな色のおしゃれなウエアもたくさんあるみたいだけれど、私はやっぱり、テニスウエアは白が好きです。(お、今、話題のクリフ・リチャードが映りましたよ) なんたって、テニスのラケットがウッドの時代にテニスに出会った化石のような私だから新しい流行にはようついていかん。といいつつ、長ズボンの上に短いスカートを重ねたみたいなの、着てみたいかも、とちょっと思いますが。。。私がはじめて買ったテニスウエアは、フレッドペリーの白の上下です。スコートはプリーツだったかな。確か芦屋のテニスショップで買いました。今でもあるのかな、あのお店。当事、中学から硬式テニスをする人はまだ少人数だったので、沿線の学校のテニス部の子達はみんなそのお店に行っていたように記憶しています。

男子はやはり襟付きのポロシャツが好きです。Tシャツみたいな襟なしはどうもだらしなくていかん。その点では、フェデラーの上品さはやはり魅力です。貴公子いう言葉がぴったり。エースを決めても派手なガッツポーズはしないし、あまり声もださないし。クールでかっこいい。昨晩のカロビッチ戦も感心しました。カロビッチの長身から繰り出される強烈サーブを、最初は手が出せなかったけれど、4ゲーム目には目が慣れたのか、逆に見事にリターンエースを決める。サーブの威力が凄いだけにリターンも強烈。スコア以上に楽勝だったように見えました。去年は決勝でナダルに敗れてしまったフェデラーだけれど、今年はぜひ決勝にあがって、ウインブルドン以来の地元選手優勝の期待を一身に担うマレー選手と対決してほしい。そうなったら私、夜を徹して観ますよ~。

さてさて、セレーナとデメンティワがいい試合をしています。両者声を出しての打ち合いがすごい。サーブの威力が半端じゃない。どちらが勝利するかな。私としては、デメンティワにウイリアムズ姉妹の一角を崩してほしい。いや~、すごい。筋肉対筋肉のぶつかりあいだわ。

そういえば、少し前に「ウインブルドン」という映画があったけれど、キルスティン・ダンストにテニスプレイヤーは無理だろう~と思ったものです。ウインブルドンでの恋なんて、ロマンティックですけれどね。
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by oakpark | 2009-07-03 01:14 | 雑感 | Comments(3)