カテゴリ:映画( 160 )   

映画 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」   

ふい、と思い立って、車に乗ってひとりで映画を観てきた。主演のケーシー・アフレックがアカデミー賞主演男優賞をとった映画。ひとりでしみじみと観たいなあと思っていた。

良かった。リアルで繊細で丁寧で。こんな映画が私は実は好き。嘘っぽくない真実の人間の営みが描かれている映画。夫は、映画だからこそ、うその虚構の世界を堪能できるんじゃん!というけれど、まあそれもわかるが、私の場合、本当に感動できて、観終わって良かったあ、と思えるのは、こういう映画だ。真実の映画が好き,と言っても、ドキュメンタリーはそれほど好きでもなかったりする。真実すぎてつらくなることがあるから。

e0123392_22301286.jpg
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(Manchester By the Sea,2016) 監督:ケネス・ローガン 出演:ケイシー・アフレック、ミッシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジス

今回、ケイシー・アフレックがすい星のごとく現れて、主演男優賞をかっさらったかのように言われるが(じゃないかもしれないけれど)、私はこの人、前からすごいなあと思っていた。すべての映画を見ているわけではないが、たまたま観た「ジェシー・ジェイムズの暗殺(2007)」「キラー・インサイド・ミー(2010)」で、一見善良そうに見えるが実は内面に闇を抱える人物というのを不気味に演じていて、一足先に表舞台に出ていた兄のベン・アフレックよりも深みのある演技ができるなあと思っていた。今回も、良い人なのか悪い人なのかわからない感じの微妙なところをとても繊細に演じていたと思う。

ほかにもケイシー・アフレックを応援したい理由がある。ケイシーは、私が映画好きになるきっかけを与えてくれた,リヴァー・フェニックスの弟のホアキン・フェニックスの親友なのだ。そして、リヴァーの妹のサマーと結婚していたのだ。でも、最新情報によると、別居してしまっているようなので、ホアキンとの関係もどうなのかしら。ちょっと心配だ。ホアキンも、ケイシーも、華のある兄がいるという点で共通していて、相通じるところがあるのかもしれない。

お話の内容としては、つらい過去を背負った便利屋の男(ケイシー アフレック)が、兄の息子の面倒を観ることになり、最初はちぐはぐしていたが、徐々に分かり合えるようになるという話。

と書くとありふれた話のように聞こえるが、細部の描き方が絶妙。とても素晴らしい脚本と演出と演技だと思う。これまた昔から目をつけていたと私が自負する(!)ミッシェル ウィリアムズのさすがの貫禄の演技です。もう後半,泣けてなけて。映画館だったので何とか号泣にならないようにこらえたが、もし家で観ていたらティッシュひと箱使ったかも?

おすすめの映画です。

by oakpark | 2017-05-27 22:50 | 映画 | Comments(0)

映画「ブルックリン」   

いや~~、すごくよかったんです。
同時期にアカデミー賞候補になっていた、「キャロル」や「リリーのすべて」を先に観て、こちらが一番最後になってしまったのですが、私は一番感動したし、一番ハラハラしたし、心を揺り動かされました。まだ、余韻に浸っています。
e0123392_20202463.jpg

「ブルックリン BLOOKLYN (2015)」 監督:ジョン・クローリー 出演:シアーシャ・ローナン、 エモリー・コーエン、ドーナル・グリーソン

本当にもう 久々に感動の恋愛映画でした! って、一般的には、「恋愛映画」としては売り出されていないかも。allcinemaのサイトにも〈愛が見えない街で、私は未来を探していた〉とありますもの。 はいはい、そういう映画なんです、もちろん。 いろんなサイトを見ても、そのように書いてありますし、私も、この映画は一人のアイルランド出身の女の子の成長物語がテーマになっていると認めます。主演のシアーシャ・ローナンがよかった、というのも、まあそうかな、ともおもいます。「つぐない」や「ラブリーボーン」では、儚げでいて、意志の強そうな美少女でしたが、すっかり、がっしりと大きくなりましたね。

でも、でも、言わせてください。
私は、なんといっても、トニーを演じた、エモリー・コーエン君が素晴らしかったと思うのです。シアーシャ演じるエイリッシュちゃんが、アイルランドからニューヨークのブルックリンに移住し、そこのダンスパーティで、声をかけてきたイタリア系のあんちゃんです。ほんと、「あんちゃん」というのが似合いそうな、なんというか、けだるい感じのしまりのない感じの,優柔不断な感じの優男で、うまく自分の気持ちを伝えられなくて、ときどきエイリッシュちゃんに「言いたいことを早く言ってよ」なんて言われるんだけれど、そこがいいんです! エイリッシュちゃんのことが大好きで大好きなんだけれど、なかなかズバッとストレートにアタックできないの。毎日、エイリッシュちゃんの仕事帰りを待って、家まで歩いて送って行ったり、なんかね、純粋でかわいいんです。 携帯や電話や車さえもなく。彼女に近づいて眼を見て話すのが愛の表現。背が高くなくて華奢で、田舎娘だけれど、たくましい感じのエイリッシュちゃんと並ぶと、大丈夫なのかなあ、、、、と思えるようなそんな存在感。それもまたリアルでよかった。職業は、配管工。町山智浩さん解説によると、移民の人たちの職業として配管工はとても多かったそう。そうそう、トニーくんはイタリア系の移民なんです。

ネタバレをあまりせずにこの映画の魅力を語るのは難しいけれど、ある日トニー君は、やっとの思いでエイリッシュちゃんを、自分の家の食事に招待するのです。一番下の弟が、変なこと言うかもしれないけれど、気にしないでね、と言って。追い出そうとしたんだけれどうまくいかなくて。なんてセリフもかわいくてリアル。 このシーンは、この映画が好きな人のほとんどが好きなシーンだと思うけれど、とってもいいシーン。弟君がいい味出してます。

でも嬉しさに舞い上がってしまったトニー君は、つい、調子に乗って口が滑って変なことを口走ってしまいます。そのことでエイリッシュちゃんは気を悪くしたのか、家まで送っていく道すがら、なんとなく乗りが悪く冷たい感じ。トニー君は、なんでかなあ、嫌われちゃったのかなあと、気にしているの(たぶんね)。 で、あくる日のエイリッシュちゃんの勤め帰り、いつもいるはずのトニーがいない。あれ、どうしちゃったのかな、私が違和感を感じたことを察してトニーは身を引いたのかしら、なんて、思い始めた時、息を切らしてトニーが走ってくる。このあたりのシーンが大,大,大好きです。 恋愛って、こんな感じですよね。すれ違いそうで、すんでのところでつながる、みたいな。。。

恋愛映画ってたくさんあるけれど、本当にリアルに,「好き」という感情を出せる役者さんは少ないと思う。今回、トニーを演じたエモリー・コーエンくんは、ほんとよかった。調べると生粋のニューヨーク育ちのユダヤ系みたいです。普段のしゃべり方も、あんな感じで、単語がつながる感じのしまりのないしゃべり方。知的には見えないけれど、「良い人」が前面に出てる。笑った時のくしゃっと眉毛が下がる感じがとってもかわいらしいです。今後の活躍に期待したいです。

この映画,ところどころに、ユーモアもちりばめられていて、クスッと笑えるセリフも多くありました。イタリア系のボーイフレンドができたことを知って、エイリッシュの女友達が「その人、ママのことや野球の話をする? え、しないの? じゃあ、キープよ」とか。水着の着替え方がニューヨークとアイルランドでは違うとか。

1952年が舞台で、トニーとエイリッシュが一緒に見に行った映画が「雨に唄えば」。このころの若者はとにかく、結婚することが一大イベントだったようです。独身の年頃の女性は毎週のようにダンスパーティに行って、「良い人」を探すのですね。この当時の世相がよく表現されています。そしてお洋服の色がきれい。アイルランド出身の女性の物語ということで緑がたくさん使われています。黄色も印象的でした。私が初めて、緑がアイルランドの色だと知ったのは大学生の時、ホームステイ先の家族がセント・パトリックDay(3月17日)に、全員緑のお洋服を着ていて、何だろうなあ、と思ったものです。今思えば,アイルランド系の家族だったのかもしれません。

後半、故郷のアイルランドを訪れたエイリッシュに思ってもいなかった人生の展開が待っています。このあたりから、観客はドキドキものですよね。いったいどうなるんだ、と。街の人たちもみんなそっち方向に期待しているみたいだしね。友人の結婚式に出席したときに、近寄ってきてエイリッシュを冷やかすおばあさんがおかしかった。ニューヨークの女子寮の寮長にしても、わきを固めるべたランの演技は映画に奥行きを与えますね。

最後のシーンでは、2回観て2回とも泣いてしまった。
私の大好きな映画、「恋のドッグファイト」に似てるんです。どちらも、待ってるほうが、近づいて抱擁するのですね。この時のエイリッシュのお洋服もかわいいです。


あー、ネタバレせずに説明するのが難しいです。

本来は、田舎から都会に出てきた女性の、成長と自立を描いた映画,ということになるのでしょうが、私にとっては、学はないけれど新天地のニューヨークに住む素朴で優しいトニー君と、大好きな故郷アイルランドに住んでいる,育ちの良い落ち着きのあるジム君の間で揺れ動く、賢いエイリッシュちゃんの話と観ました。

最後のほうで、I'd forgotten.といって、故郷の海の美しさと、故郷の人々の意地悪さを再認識するあたりは、田舎から都会に出てきた女性ならみんな一度は感じたことがある,エピソードなのではないでしょうか。

ただ、もちろんそれだけではなく、最初に私が涙ぐんでしまったのは、エイリッシュがアイルランド出身の年配の人たちを教会主催のクリスマス食事会のお手伝いをしたときに、お礼にと言って年配の男性が歌うシーンです。古いアイルランド語なのか、意味は全然わからないのだけれど、心に染み入る郷愁を誘う歌で、音楽って万国共通だなあと思いました。私の大好きな「ダニーボーイ」もアイルランドの曲だし。アイルランドの音楽、なんか好きかも。

それと、脚本がニック・ホーンビーで、これまた私の大好きな「17歳の肖像」の脚本家でもあるのですよね。ニック・ホーンビー,好みかも。

「ブルックリン」,お勧めします。

by oakpark | 2016-12-21 21:44 | 映画 | Comments(0)

映画『ディーン、君といた瞬間』   

今回は、伝説のハリウッド大物スター、ジェームズ・ディーンと彼を撮影したカメラマンとの数日間を描いた映画「ディーン、君といた瞬間」のことを書こうと思っているのですが、
e0123392_2231255.jpg

「ディーン、君といた瞬間」(LIFE, 2015) 監督:アントン・コルベイン 出演:ロバート・パティソン、デイン・デハーン

その前に、ちょっと個人的な感傷話を。
15年間乗った車がついに廃車になることになりました。ファミリー用の車で、さんざん子供たちを乗せてあちこちに行った車です。15年前といえば、今大学4年の息子が小学校の1年で、私は久しぶりに仕事を始めていました。それがあまりうまくいかず、ストレスを抱える毎日で、気晴らしにと観始めたのが映画でした。 最初にはまったのが、リヴァー・フェニックス。彼の何となく寂しそうなたたずまいに惹かれました。次にはまったのが、ロックバンドクイーンのフレディ・マーキュリー。そしてエルヴィスです。一度ファンになると、徹底的にその人のことを知りたくなる私は、いろいろな文献(日本語も英語も)にあたったものです。youtubeもなかったしネットもあまり情報はなかったので、たくさん散財していろいろ調べました。リヴァーのおかげでvegan(ヴィーガン 極端な菜食主義者)という言葉を知ったし、フレディーのおかげで flamboyant (派手な、ホモの)という単語を知りました。エルヴィスでは vigil (夜を徹しての祈り)とかね、いろいろ知りました。私のサブカル系の情報は、ほとんどこの3人から派生したものといっても過言ではありません。この3人から、いろいろ興味の幅が広がっていきました。 思えば、なかなか良い3人の組み合わせではありませんか。歌手になりたかったのに俳優になった1970年生まれのリヴァー、俳優になりたかったのに歌手になった1935年生まれのエルヴィス、そして1946年生まれのフレディです。フレディは何になりたかったのかなあ。すごく歌手になりたかったわけでもないような気もします。

3人の子の子育ての傍ら、映画や音楽に興味を持ち、コンサートやイベントにも行くようになって15年ですよ。今回廃車になったこの車とともに趣味に力を注ぐ変な主婦の人生を歩んできたような気もします。15年のうちの後の10年はエルヴィスファンの10年。今年の10月でファンになって丸10年が経つのです。

エルヴィスの時代や、エルヴィスに関係した人が出ている映画はまず迷わず観ます。そして今回、絶対見なくちゃと、レンタルショップで即手に取ったのが、「ディーン、君といた時」です。ジェームズ・ディーンといえば、エルヴィスが憧れた俳優。誰も言ってるの聞いたことないけれど、エルヴィスの映画デビュー作「やさしく愛して」なんて、ぜったい「エデンの東」のジェームズ・ディーンの演技を意識していると思いますもの。どちらも兄の彼女を取る弟の話だもの。演技レベルは全然違いますが。インタビューで「あなたはジェームズ・ディーンを目指しているのですか」と聞かれた21歳のエルヴィスは照れたように笑って「そんなこと考えてないよ。ジミーは天才だから」と答えてました。本心でしょうねえ。「理由なき反抗」で、ジェームズ・ディーンと共演したナタリー・ウッドと知り合って、メンフィスに招待し、バイクの後ろに乗せて走った時は誇らしかったと思います。

この映画、ジェームズ・デイーンの映画というより、ジェームズ・ディーンを撮ろうとしたカメラマンの話です。原題も「LIFE」。カメラマンのデニス・ストックが撮った写真を売り込んだのがLIFE誌だったから、このタイトルなのでしょう。気難しいというか、変わり者のディーンを撮り、LIFEが買ってくれるような「魂のこもった」写真にするのは、なかなか大変だったようで、ポーズをとらせるような、とらせないような、自然で、それでいて、ジェームズ・ディーンらしさがにじみ出るような写真、というのはねらってもなかなか撮れないものなのでしょうね。マディソン・スクエアでなんとか撮った、黒っぽいロングコートを着たジミーが肩をすくめくわえたばこで、例の上目遣いの表情で、こちらに歩いてくる写真は、なかなかいいなあと思います。
e0123392_23404247.jpg

この男の子は誰なのかしら。
e0123392_23411314.jpg


この密着撮影形式って、昔はよくあったのか、前にも書きましたがエルヴィスにもアルフレッド・ワートハイマーというカメラマンが、まさに密着して写真を撮りました。テレビ出演したニューヨークから故郷のメンフィスに帰り、家族や友人とくつろぎプールでふざける写真など、かなりの量の写真を撮っています。その辺はエルヴィスは大らかで、というか当時のエルヴィスは「有名になりたい」気持ちも普通にある若者だったので、どんどん撮らせていました。

しかし、ジミーの場合は、そんなfameには全然興味がないわけですよ。興味があるのは演技だけ。だから、なかなか自然な写真が撮れない。デニスは、妻や子どもからのプレッシャーと仕事のはざまで苦しみながらも、なんとか這い上がってジミーの写真を撮ります。そのあたりを、「トワイライト」のロバート・パティソンががんばっています。吸血鬼の彼しか知らなかったので、普通の人間だーと思いながら観ました。

そして、ジミーを演じたディン・デハーンは、なかなかのチョイスだと思いました。もう少し頬がこけたらもっとよかったかなあ、と思いましたが。この俳優さんのことは、前に観た「キル・ユア・ダーリン」で美貌の詩人ルシアン・カーを演じていて、同性を狂わす美貌と雰囲気だなあと思って目をつけていたので、今回のジミー役も納得です。「キル~」では、「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが、伝説の詩人アレン・ギンズバーグを演じています。

この映画を観るまで知りませんでしたが、ジェームズ・ディーンはインディアナポリスの出身で、農器具をもって農作業をする姿が似合う男だったのですね。地元の高校のパーティに誘われて行ってしまうような気さくな人でもあったのですね。ど近眼で、大きな眼鏡をかけてカッコつけない男だったのですね。「故郷に帰ろう」という詩を朗読したのに、二度とインディアナポリスに戻ってくることはなかったのですね。 24歳なんて、本当に早すぎますね。でも

We'll Never Forget You, Jimmy!


そして、なぜか、私が大好きなエルヴィスのこの曲を貼らせていただきます。ジミーさん、あなたにあこがれたこの青年がのちに大物歌手になったのですよ。fameもforutuneもいらない。君さえいればいい、という歌。 ジミーさんにぴったりです。

by oakpark | 2016-08-31 23:19 | 映画 | Comments(4)

映画『ブルーバレンタイン』   

最近気になっている映画評論家の町山智浩さんが号泣したとラジオで言っていた『ブルー バレンタイン」をレンタルして観ました。 切ない映画でした。私も号泣とまではいかなかったけれど、じわ~と涙がにじみ出てきました。

e0123392_011367.jpg

監督:デレク・シアンフランス 出演:ライアン・ゴズリング ミッシェル・ウィリアムズ

さて、私は、これまで「私って見る目ある~。思った通り、この俳優さん、伸びたわ」と思ったことが2度あります。2度とも女優さんなのですが、そのうちの一人がこの映画の主演、ミッシェル・ウィリアムズです。 実は、今のように、ただの時間つぶしや娯楽という感覚ではない感じで映画を観るようになったのは2001年ごろからです。最初は、映画しか見てなくて、テレビドラマのほうはあまり見ていませんでした(今は海外テレビドラマもよく見ます)。なんとなく、そのころはTVドラマより映画のほうが上のような気がしていて、私は今は映画のことが知りたい、と思っていたのです。 でも、映画をかなりたくさん見るようになってからしばらくたったころ、ドラマもちょっと見てみようかなと思い2003年ころ?にレンタルしてきたのが『ドーゾンズ クリーク』というドラマで(青春物が好きなので)、そこで出会ったのがミッシェル・ウィリアムズでした。

このドラマの主役は、今やトム・クルーズの奥さんである、ケイティ ホームズで、本当にかわいかった。一方、ミッシェル ウィリアムズは途中から登場した脇役で、ちょっと意地悪な感じの役でした。見た目少しぽっちゃりで良い人役が似合いそうなのに、なんだか、強烈な存在感があったのを覚えています。「この人うまいな」と、思ったことを覚えています。 そして次に彼女に出会ったのが、今はは亡き、ヒース・レジャーの名演が光った『ブロークバックマウンテン』でした。男に夫をとられてしまう切ない田舎の奥さん役を演じていましたが、何とも言えないやり場のない悲しみを滲み出していて、ぴったりだなあとと思いました。もちろん、あ、あの『ドーゾンズクリーク」の人だ!とすぐに気付きました。こういう、素は可愛いんだけれど、もっさい、悲しみを背負った田舎の主婦という役柄は、私の大好きな『草原の輝き』の最後のシーンに出てくる奥さんもそうで、なぜか私はキュンとなるんですよね。

今回の『ブルーバレンタイン』での、ミッシェル・ウィリアムズの悲しげな表情は、『ブロークバックマウンテン」での彼女を思い出しました。『マリリン7日間の恋』あたりとは全然違う雰囲気。こういう、どこにでもいそうな、生活に疲れた感じの主婦役って似合うんですよ、この人は。お顔は可愛いけれど、首が短いこともあって、あまり洗練された役は似合わない気もします。愛し合って結ばれた夫婦が、だんだん倦怠期を迎え、壊れていく様子を、出会った頃の初々しい二人のシーンにフラッシュバックしながら徐々に描いていく手法。かわいい女の子を持つ倦怠期の夫婦の物語だと思って観ていると、実はいろんな秘密が隠されていることがわかってくる。 最後切なくて、こんなのあり❓と思ったけれど、やはり、こうするしかなかったんじゃないかとも思える。二人が一緒になって一緒に生活をしていくって、それぞれがそれまでの人生で蓄積されてきたことと対峙するってことでもありますからね。価値観や生き方のの違いって、いかんともしがたいのかもしれない。

もう一人、私が目をつけていてブレイクした女優さんは、このブログでも前に書いた『17歳の肖像』のキャリー・マリガンです。 やはり、童顔の可愛いお顔の女優さんなのだけれど、現実味のある、引き込まれる演技だと思ったのですが、その後あれよあれよと出演作品が増えていきました。でも、童顔だけに、これからどんな役を選んでいくかは難しいかもしれません。

ネットで画像を検索していると、今お二人ともショートカットなんですね。
e0123392_025698.jpg

e0123392_0252860.jpg


自分が目を付けた俳優さんが活躍してくれると嬉しいです。

by oakpark | 2016-07-13 00:26 | 映画 | Comments(0)

映画「噂の二人」   

代官山でレンタルしてきたビデオ二本目、「噂の二人」を観ました。
いや~、衝撃的でしたね。シャーリー・マクレーンとオードリー・ヘップバーンの競演。オードリーに恋心を描くシャーリー・マクレーンの苦悩がすごかった。やはり、名女優ですね。私は実は「アパートの鍵貸します」のシャーリー・マクレーンが好きなのです。きゅっと結ばれた口元,ちょっと舌足らずな感じの,ハスキーな感じの声も好きです。「アパートの~」が1960年でこの映画が1961年なので、ほぼ同年代です。オードリーも、ファッションが素敵だった「ティファニーで朝食を」と同年ということもあって、洗練された風貌。シャーリーが惚れるのもわかる美しさ。

それにしても、この時代に同性愛を描くのは、かなり大胆な試みだったのではないかと思います。子供の小さな嘘が二人を破滅に追いやるストーリーは、「つぐない(2007」を思い出しました。本当に憎たらしい子供メアリーを演じていたのは、karen Balkinという人で、もう俳優業は引退しているよう。メアリーがいじめる盗癖のある子供を演じていたのが、Veronica Cartwrightという女優さんで今でもたくさんの映画やドラマに出演しているようです。

結末は悲しいですが見応えのある映画でした。借りてよかった。
e0123392_2325523.jpg

「噂の二人」(The Children's Hour, 1961) 監督:ウィリアム・ワイラー 原作:リリアン・ヘルマン 出演:オードリー・へプバーン シャーリー・マクレーン ジェームズ・ガーナー ミリアム・ホプキンス

by oakpark | 2016-06-28 23:08 | 映画 | Comments(0)

ツタヤ代官山   

かねてから行きたいと思っていた、代官山のツタヤに行ってきました。
古い映画が置いてあることや、雰囲気のいい喫茶店があることなどを聞いていて、ぜひ行ってみたいと思い、近所のレンタルショップに置いていないような映画を事前にリストアップしておいて探してみました。

そして借りてきたのが以下の4本。

「わが青春のマリアンヌ」
「昼顔」
「シャンプー」
「噂の二人」

古い映画ばかりです。近所のレンタルショップには70年代80年代の映画はあまり置かれていません。新しい映画もいいけれど、この時代の,少しもっさいかんじ、粗削りな感じ、自由な感じが、時々恋しくなりますねえ。

まず、一番古いこの映画を見ました。
e0123392_232014.jpg

「わが青春のマリアンヌ」 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ 出演:マリアンヌ・ホルト ピエール・ヴァネック イサベル・ピア

私の感受性が足りないのか、特に何も感じなかったです。。。。 高校生役の俳優さんが全然高校生に見えず、おっさんが短パンをはいているようで違和感があり、何も知らない純粋無垢な高校生と年上の美しい女性との逢瀬という風に読み取れなかったことに原因があるのかもしれません。

漫画家の松本零士さんや、アルフィーなど、この作品にインスピレーションを得たアーティストは他たくさんいるそうですが、思うにみんな男性なのでは。女性で何か感じた人いるのかなあ。高校生くらいの女子が,いくら好きな男性の気を引くためとはいえ、いきなり服を脱ぐシーンも現実離れしているように感じたしなあ。。。。マリアンヌを演じている女優さんは、本当に美しかったし、フランス語の響きもとっても色っぽかったです。

by oakpark | 2016-06-27 23:38 | 映画 | Comments(0)

「スケアクロウ」「ペーパームーン」「ソルジャーボーイ」   

というわけで、「町山リスト」と勝手に命名させてもらった映画リストの中からもできるだけ見ていこうと思っています。威勢よく「全部」と言いたいところですが、手に入るかどうか自信ないし。また、観る勇気があるかどうか自信のない物もある。全70作品どこまでつぶしていけるか。がんばります!

70年代の作品はあまりレンタルショップに置いていません。ネットから映像を探せばいいのかもしれないけれど、私はPCで映画を観るのがあまり好きではない。できれば、オーソドックにDVDをテレビに映し出してみたい派、なのです。しかし、レンタルショップ事業も曲がり角に来ているのか、最寄り駅、隣駅併せて3軒あったレンタルショップが今や1軒になってしまっている。そのうえ、そのお店はあまり品ぞろえが豊富とは言えない。もちろん、最近のはたくさん置いているのでしょうが、私が観たいと興味をもった70年代80年代の映画があまりないのです。いつか代官山のTSUTAYAに行かなくては。

そんな中、「町山リスト」に載っていた映画を3本見つけました! 偶然にも、すべて友情もの?だった。

「スケアクロウ」(SCARECROW,1973) 監督:ジェリー・シャッツバーグ 出演:ジーン・ハックマン、アル・パチーノ
e0123392_21343775.jpg

流れ者の二人の友情物語。移動していくから、ロード・ムービーでもあります。たぶん、以前に一度観ています。でも、内容忘れてしまうくらいの印象度。きっと、男性が観ると感じ入るところが大きいのでしょうね。当時の私には、たぶん、ほとんど印象に残っていない。男の友情がどうか、とか、ジーン・ハックマン、アル・パチーノの演技がどうか、とか、あまりわからなかったのだろう。私が今のような形で(ノートに感想を書いたり、出演者や監督を意識したり)映画を観るようになったのは、2000年ころ.映画を観るだけではなく、映画評論やそういうのも読み始めるようになると、ジーン・ハックマン=名優 と必ずなっている。どこがなのだろう~と思っていた。もちろん、演技はうまいのだろうけど、うまい俳優さんはたくさんいるし、とも思っていた。 でも、最近思うのだが、「名優」と言われている人は、まず作品に恵まれないとね。作品あっての演技だと思う(当たり前だが)。この映画で、ジーン・ハックマンが名優だというのはよくわかった。アル・パチーノがチンピラでかわいい。女にもてるハックマンを、子犬のようなまなざしで見つめるの。そして、ハックマンも居心地が悪そうにしている。男の友情には女は邪魔者ですね。

「ペーパームーン」(Paper Moon,1973) 監督:ピーター・ボクダノビッチ 出演:ライアン・オニール テイタム:オニール
e0123392_21351125.jpg

ずっと見たいと思っていた映画をやっと観ました。前にも書いたけれど、2000年ころに映画をたくさん見るようになったきっかけがリヴアー・フェニックスで、リヴァー最後の完成した作品がボクダノビッチ監督の「愛と呼ばれるもの」でした。解説にいつも「あの、名匠ボグダノビッチ監督」とあり、監督の代表的な作品として「ラスト・ショー」と並んでいるのがこの「ペーパームーン」でした。 地味な観るのが退屈な映画かなと思っていたけれど、とっても面白かった。これも前に書いたけれど、ライアン・オニールの顔は個人的にちょっと好みで、だから、娘のテータム・オニールも好み。好みの顔が二つ、ずっと画面にいるのもよかったし、突き放した感じが、最後にほろっとさせる、ストーリーの展開もよかった。この、突き放した感じってのが、ニューシネマなのですかね。短い言葉、ドライなふるまいに、様々な感情が込められている感じ。「スケアクロウ」が男同士の友情なら、「ペーパームーン」は性別、世代を超えた友情なのかも。「レオン」とかもそんな感じだったけれど、私は「ペーパームーン」のほうが好き。とくにテイタム・オニールの不機嫌具合がとってもかわいい。なんと、1974年のアカデミー賞助演女優賞を最年少でとっているのですね。実は、興味がわき、テイタム・オニールの書いた'A Paper Life'という本を購入し、今読んでいるのですが、この授賞式に、お父さん(ライアン・オニール)もお母さん(ジョアンナ・ムーア)も来なかったそう。親子間のいろいろな確執があり、かなりつらい子供時代を過ごしたようです。本を読み終わったらまた内容をアップしたいです。 でも、映画はよかった!

「ソルジャー・ボーイ」(Welcome Home, Soldier Boys, 1972)
監督:リチャード・コンプトン 出演:ジョー・ドン・ベイカー、ポール・コスロ、
e0123392_2137116.jpg

ベトナム帰りの4人の若者の友情と傷を描いた作品。ベトナムは、青年を変えてしまった。何度も映画で描かれているテーマだ。4人にとって、ベトナムでも経験を共有した4人だけが世界のすべてだった。親の暖かさはもう届かなかった。とっても悲しい結末。
ベトナム帰還兵といえば、私にとってはリヴァー・フェニックスの「恋のドッグファイト」が印象深い。あの映画でも「仲間」は4人だったけれど、1972年のこの作品を意識しているのかもしれない。

今回紹介した映画のタイトルがついた曲がありますね。大好きな曲なので紹介します。

ナット・キング・コール It's Only A Paper Moon


エルヴィス・プレスリー A Soldier Boy


さすがに「スケアクロウ」なんて曲はないよね、と思って調べたら、あったのですよ。Alex&Sielaという二人組がまさに「Scarecrow」という歌を歌っているようです。でも知らない曲なので紹介はやめておきましょう。

by oakpark | 2016-01-22 21:26 | 映画 | Comments(0)

映画の話し   

先日、今年のアカデミー賞のノミネート発表がありましたね。いろいろと観たいなあと思う映画がありました。ファッションが興味深い「キャロル」「ブルックリン」(60年代のファッションが好きなもんで)、このブログにも書いたことがある、ちょっとファンのエディ・レッドメインの女装が興味深い「リリーのすべて」など。「レバナント~蘇り~」は観たくない(激しすぎそうで)ですが、ディカプリオには今回は絶対アカデミー主演男優賞を取ってほしい。こんなに毎回体を張ったすごい演技をしているのに、まだオスカーを取っていないなんて。

さて、映画といえば、先日、といっても去年の年末でしたが、映画評論家、川本三郎さんと町山智浩さんのトークイベントに参加できたことは、とっても嬉しい経験でした。川本三郎さんといえば、映画評論家、文筆家として有名な方ですし、町山智浩さんは、アメリカ在住でアメリカの事情にも詳しく、難解な映画もわかりやすく解説してくれ、映画評論家として近年ますます注目を集めている方。私が初めてこの方を見たのは、ドキュメンタリー映画を紹介している深夜番組でしたが、アメリカ映画事情に詳しく、明るそうで面白そうな人がいるなあとその時から注目していました。説明もわかりやすく、私の中では、映画評論界の「池上彰」のような存在です。

このイベントは、文芸春秋社主催で、事前に参加を申し込み、抽選によって選ばれた人だけが参加できるというものでした。どのくらいの倍率だったのかわかりませんが、友人と二人で申し込んだ結果、私のほうが当たり、大喜びで二人で参加してきました。参加者は、老若男女様々でしたが、性別でいうとやはり、男性のほうが多かったように感じました。お二人からの著作物のプレゼントがあり、しかも町山さんは希望者にサインもしてくださり、とても満足のいく有意義なトークライブでした。しかも、文芸春秋のスタッフの一人が昔の知り合いだったというおまけつき。どこの知り合いだったか思い出すのに20秒くらいかかってしまいました。

イベントのタイトルは『アメリカ映画が最高にエキサイティングだったころ 1967-1978』でした。お二人のお話も、ニューシネマについてのいろいろでした。知っていた話、理解できた話もありましたが、3割くらいは???なお話でした。でもとっても興味深かった。今後も町山さんのサイトやyoutubeでのお話を聞きながら映画の歴史や裏話についてもさらに勉強したいなと思いました。

その時に配られたリーフレットに載っている〈観るべき映画〉は以下のようになっています。
1967年ーーー夜の大捜査線、俺たちに明日はない、白昼の幻想、暴力脱獄、招かれざる客、冷血、卒業
1968年ーーー猿の惑星、2001年宇宙の旅、ウィル・ペニー、泳ぐ人、ローズマリーの赤ちゃん、ブリット
1969年ーーー真夜中のカーボーイ、ワイルドパンチ、イージーライダー、明日に向かって撃て!、一人ぼっちの青春、ジョンとメリー、さよならコロンバス、ボブ&キャロル&テッド &アリス
1970年ーーーM★A★S★H、真夜中のパーティ、ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間、砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード、ファイブ・イージー・ビーセス、小さな巨人、いちご白書
1971年ーーー思いでの夏、コールガール、フレンチ・コネクション、ハロルドとモード 少年は虹を渡る、ラスト・ショー、激突!、ダーディハリー
1972年ーーーゴッドファーザー、スローターハウス5、ゲッタウェイ、ソルジャーボーイ、夕陽の群盗、男の出発、
1973年ーーーロング・グッドバイ、スケアクロウ、ペーパームーン、アメリカン・グラフィティ、 追憶、さらば冬のかもめ、スティング、
1974年ーーー華麗なるギャツビー、続・激突/カージャック、カンバセーション・・盗聴・・、サンダーボルト、チャイナタウン、ハリーとトント、レニー・ブルース、アリスの恋、ゴッドファーザーPartII、スパイク・ギャング
1975年ーーーイナゴの日、ナッシュビル、ジョーズ、狼たちの午後、コンドル、カッコーの巣の上で
1976年ーーーグリニッチ・ビレッジの青春、タクシー・ドライバー、大統領の陰謀、ロッキー
1978年ーーードッグ・ソルジャー

以上、70作品。このうち、このトークイベント時点で、私が観ていたのは28作品でした。観たはずだけど内容を覚えていない、というのはカウントせず、厳しめにいきました。
さーて、残りの作品、全部見るぞー。怖そうなのもあるけど~~~。

町山さんは希望者全員に、かわいいイラスト付きのサインをしてくださいました。私は20番目くらいでしたが、100人はいたので、全員終わるのに深夜近くなったのではないでしょうか。町山さん、ありがとうございました。お疲れさまでした。またお会いできればいいなあ。
e0123392_21395780.jpg

by oakpark | 2016-01-17 21:26 | 映画 | Comments(0)

「スターウォーズ~フォースの覚醒~」とオスカー・アイザック   

「スター・ウォーズ ~フォースの覚醒~」を観てきました!
e0123392_1113643.jpg


もう説明するまでもなく 超話題作ですね。 我が家では私以外の全員が大好きな映画です。私は、というと、好きでも嫌いでもない、というかんじ。まあ面白いSF冒険映画ね、という認識です。おばさんの多くはこういう反応なのではないでしょうか。熱狂的なファンは、1977年公開第1作を10代~20代で観た男性に多いような気がします。もちろん、新しいスターウォーズを観てファンになった若い世代も多いとは思いますが。でもやはり、熱狂的に思い入れの深い世代は現在40代くらいの男性に多いのではないかしら。

我が家も夫が熱狂的とまではいかないけれど大ファンで、子供たちに見せているうちに子供たちもファンになりました。私もいくつか好きな映画を子供に見せましたが、そのうち好きになってくれたのは「雨に唄えば」のみ。「風と共に去りぬ」「ローマの休日」はだめだった。やはり、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」には負けるのかな。

私は、最初はそれほど観る気はなかったのですが、お友達がファンの映画評論家の高橋ヨシキさんと町山智浩さんがあまりにも楽しそうに話す音源を聞いてしまったので、無性に興味がわいてきたのと、先に観に行っていた夫と次女が、「お母さんは見ないほうがいいよ、戦闘シーンが多いし。絶対見に行かないほうがいい」と繰り返し言ってくるので、逆に「行ったるで~」と思ったのでした。

で、感想としては、単純に面白かったです。スター・ウォーズ第1作はちゃんと見たのですが、それ以外はほとんど見ていないので、人間関係とかよくわからないのですが、そういうのを知らなくても新しい作品として楽しめる構成になっていたと思います。戦闘シーンもあまり好きでないといったのは、勝つ人が分かってしまっている場合。たとえば、「パイレーツ オブ カリビアン」の時は戦いシーンでちょこっと寝てしまいました。。。だって、ジョニー・デップが勝つってわかるもんね。今回は、どちらが勝つのかわからない場合が多かったので、ドキドキしながら見ることができました。

それと、ちょっと驚いたのが、去年の年末に家でDVDで観た映画にたてつづけにでていて、私も注目していた俳優オスカー・アイザックがかなり重要な役で出ていたことです。観た映画というのがこれとこれ。

「ギリシャに消えた嘘 (The Two Faces of January,2014)」 監督:ホセイン・アミ二 出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト、 オスカー・アイザック
e0123392_11314413.jpg


「インサイド・ルーウィン・デイビス~名もなき男の歌 (Inside Llewyn Davis,2013)」
監督:ジョエル・コーエン、 イーサン・コーエン 出演:オスカー・アイザック キャリー・マリガン
e0123392_11323650.jpg


特に「ギリシャに消えた嘘」は面白かった。原作が「太陽がいっぱい」「見知らぬ乗客」と同じパトリシア・ハイスミスで、古典的で美しいミステリーになっています。この映画で私は初めてオスカー・アイザックを観ました。最初はだれこれ❓といった感じでしたが、観ていくうちに、ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンストといった大物俳優に見劣りしない、深みのある演技に引き込まれていきました。私の思う深み、というのは どちらにも取れる演技ということ。いい人なのか悪い人なのか、わからない。何を考えているのが判断しにくい、そういう雰囲気が出せる人だと思いました。ミステリーにはこういう人が絶対必要。二つ目の映画「インサイド~」では、ボブ・ディランと同じ時期の無名の歌手の物語。難しい役どころだとは思うが、なかなかいい味を出していた。コーエン兄弟に使われているというところからも、この人の実力?運の良さ?がわかる。ちょっと、アル・パチーノに似た雰囲気の顔立ち。これからいろいろ活躍しそう。良い役も悪役もできそう。

by oakpark | 2016-01-11 11:36 | 映画 | Comments(0)

本「芸能人の帽子」など 図書館で借りた本   

私は、基本的には本は買うほうが好きです。図書館で借りると2週間という限定期間で読まなければならないし、なんかせわしないのですもの。新聞の書評などで見て興味がわいて、手元に置いておきたいのだけれど、今は読む時間がない、というようなときは買うことにしています。そのままずっと「つんどく」になっている本もたくさんあるのですけどね。

でも、ちょっぴり興味があるだけのハードカバーの、お値段の張る本は、さすがに図書館のほうがいいなあということで、時々ネット予約して借りています。予約した本を取りに行くときに目に付いた本をまた借りたりして、一度図書館に行くと次から次へと本を借りてしまうということにもなってしまいます。そして、今その連鎖にはまってしまっていている時期なのです。

少し前に日記に書いた、末井昭さんの「自殺」も図書館で借りました。この本も少し待たされましたのですが、もっと待たされたのが、やはり新聞の書評欄で見て興味がわいた、中山千夏さんの「芸能人の帽子」という本でした。ネット検索すると、その本を予約している人の人数が表示されます。先日、直木賞受賞作品の、東山彰良さんの『流』を予約すると700人以上が待っていました。いつ手元に来るかしら。
e0123392_23524252.jpg

中山千夏さんといえば、その昔、メディア界の風雲児であったという印象です。当時の芸能界の裏側を暴露しているということで、興味本位で手にしてみましたが、懐かしい名前がいろいろ出てきたものの、細かすぎて(すごく分厚い本です)あまりきちんと読む気になれませんでした。中山さんが、たぶん、昔の自分を懐かしみ、自分のことが書かれた雑誌の記事をもとに、当時のことを記録にとどめておこうと思った本なので、そのあたりのことに特別に興味のある人は楽しめるでしょう。私のような素人にとっては、もっとエッセンスてきなエピソードを面白おかしく語ってくれたほうが分かりやすいです。青島幸男さんと親密な関係にあったというのは知りませんでした。

次に紹介する本は、ポーリン・ケイルという、アメリカの映画評論家の書いた本です。こういう、廃刊になっている本はやはり、図書館に頼らざるを得ないですね。カルチャーセンター映画講座のピーター先生が、おすすめの映画評論家として教えて下ったのが、Roger Eert(1942-2013), Pauline Kael(1919-2009), Anthony Lane (1962-) で、その中で女性ということで興味を持ち、中野翠的面白さを求めて、ポーリン・ケイルの本を借りてみました。
e0123392_1622557.jpg

「今夜も映画で眠れない」(柴田京子訳)と『映画辛口案内」(朝倉久志訳)
いや~、ほんと辛口。ていうかほとんどけなしています。クリント・イーストウッドなんて特に嫌われているみたい。全体的にあまり読みやすい本ではありませんでした。表現が、比喩が多いのですが、それが何を表しているのか、どのくらいけなしているのか、あるいは少しはほめているのか、が英語ノンネイティブの私らにはわかりにくい。加えて、ユーモアがあまり感じられない。中野翠さんのエッセイはユーモアがあって、そのなかに愛情が感じられて、たとえけなしていても好感が持てる映画評論なのですが、この人の場合、翻訳本ということもあって、裏に隠された(であろう)愛情、というのがあまり伝わってこなかったな。映画評論って翻訳しにくいと思う。婉曲表現をそのまま訳しても、よくわからないんだもの。というわけで、ざざっと流し読みしました。

そして最後にこれ。
e0123392_01038100.jpg

「フィッツジェラルドの午前3時」 ロジェ・グルニエ著 中条省平訳
「華麗なるギャツビー」で有名で、日本では村上春樹氏によって地位がさらに押し上げられている感のある、スコット・フィッツジェラルドのことを、彼の作品中の文を引き合いに出しながら語っていく本です。きっと、著者のロジェ・グルニエ氏も村上氏に負けず劣らずのフィッツジェラルドファンなのでしょう。彼がなぜそれほど愛されるのかについては、きっとその文学作品を作り出す力量に加えて、悲劇的で刹那的で華麗な人生、不完全な人格(まあだれだってそうだけど)のせいもあるのではないかしら。この本で私の印象に残ったのは、親友だったヘミングウェイとの関係。もしかしたら、フィッツジェラルドの片思いだったんじゃないの?フィッツジェラルドはいつもいつもヘミングウェイを推していたけれど、ヘミングウェイのほうは、それほどでもなかったとか。真相はわかりませんが、ちょっと、フィッツジェラルドがかわいそうに思えました。
まあ、この辺は、本当はもっとちゃんと調べるべきでしょうが、それはまたの機会に。

秋は読書を頑張りたいです。

by oakpark | 2015-10-30 00:18 | 映画 | Comments(0)