「エディット・ピアフ ~愛の讃歌~」   

「ブロークン・イングリッシュ」以降、家で4本の映画を観ました。どれも結構おもしろくて、今年は幸先がいいぞ~。そのうちのひとつ、「エディット・ピアフ ~愛の讃歌~」を紹介します。
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伝説のフランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの生涯を描いた映画です。ピアフを演じたマリオン・コティヤールの演技、化けぶりが、大絶賛されていましたね。はやく観たい、観たいと思っていましたが、フランス語だからな~と二の足を踏んでいました。やはり外国映画はちょっぴり苦手な私です。でも先日、新春特別企画ということでテレビ放映されていたのを見つけ大喜びで観たのです。。 

いや~、1975年生まれのマリオン・コティヤール、見事にピアフになりきっていました。「プロヴァンスの贈り物」では、きれいな若いお嬢さんだったのに、ピアフの20歳から47,8歳までをうまく演じ分けていました。実際のピアフはとても小柄な人だったそうで、晩年は背中が曲がりさらにさらに小さくなっていました。でも、病気だったとしても、47,8歳ってあんなにおばあさんに見えるもん?とちょっぴり悲しくなりましたが。。。youtube などで、実際のエディット・ピアフの写真も見ましたが、顔もかなり似せて作っていました。当時の流行のお化粧法でしょうが、眉毛がとっても細いんですね。ピアフは、1915年に生まれ、1963年に亡くなっています。

さて、映画のほうですが、少し変わった手法が使われていました。普通、伝記ものといえば、時代順に描いて行きますよね。またよくあるのが、最晩年や最盛期を先に映し、若い頃にさかのぼるという手法も使われます。この映画の場合も晩年の映像から始まり、幼い頃に戻っていったのでここから順番に来るかと思ったら、また晩年になり、また、若い頃になり、と、あっちこっちしながら物語が進行していくんです。もしかしたらこの手法、賛否両論あったのかもしれませんが、私は違和感なかったです。きっとピアフを語る上ではずせないのであろうエピソードをちりばめ、それを頭の中で次代順に並べていくのは視聴者の仕事、ということじゃないかな。あるいは、次代順に並べなくてもいいのかも。 幼い頃、売春宿に預けられているピアフ、晩年にわがまま放題になっているピアフ、歌で世間に認められたピアフ、10代で子供を生み、その子をなくしたピアフ。 それらのエピソードを見るうちに、次第にピアフの人生の全体像が浮かび上がってくるような気がしました。

さまざまなエピソードの中で、一番印象的だったのは、やはりというかなんというか、プロボクサーのマルセル・セルダンとピアフの大恋愛のくだりです。 ここからはネタバレなので、これからこの映画を観る予定のある方、どきどき感を残しておきたい方は読まないでくださいね。でも、最後の「愛の讃歌」はぜひ聴いてみてください~。


ある日、パリの酒場に立ち寄ったセルダンはそこで歌うピアフに出会う。「どうして悲しい歌ばかり歌うの?」と尋ねるとピアフは「どうした殴るの?」と返してきた。お互い惹かれあうものを感じた二人は急接近し、恋に落ちる。しかし、セルダンは妻の子供もいる身だった。そしてその後二人を悲劇が襲う。王座奪還の試合のためニューヨークに船で出発しようとしていたセルダンに、コンサートのためにニューヨークにいたピアフは「はやく会いたいから飛行機で来て」という。優しいセルダンはピアフのために飛行機に変更するのだった。ところがその飛行機が墜落し、セルダンは帰らぬ人となる。。。


実際、マルセル・セルダンという人は、いつも笑顔の絶えない快活な人格者だったそうです。船から飛行機に変えるなんて、当時のことですから、運賃も大変なものだったでしょうに。それほど、セルダンもピアフのことを愛していたのですね。ピアフとセルダンの写真です。あるサイトから、オーナーの方の許可を得て拝借してまいりました。幸せそうな二人ですね。
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そして、有名な曲「愛の讃歌」はピアフがセルダンのことを想って詞を書いた曲なのだそうです。
一説によると、ピアフが妻子のあるセルダンのとの情事に終止符を打つために書いたものだとか。ピアフもまたすばらしい人だったのですね。
この歌詞の日本語訳は、「あなたの燃える手で~~」ではじまる岩谷時子さんの訳が有名ですが、ほかにもいろいろあるようです。永田文夫さんという方が訳されたものはかなり原文に忠実だそうです。そちらだと「空がくずれおちて、大地が壊れてもおそれはしないわ どんなことでも愛が続く限り かたく抱きしめてね~~」 ではじまります。以下、あなたのためならなんでもするわ。それくらいあなたを愛しているわ。という、まっこと情熱的な歌のようです。フランス語のわかる方はちゃんと意味が把握できるんでしょうね。うらやましいな~。 さて、ではエディと・ピアフの「愛の讃歌」(Hymne a l'amour)を聴いてみましょう。 ほんとすばらしい。意味はわからないけれど、なぜか涙が出てきます。

by oakpark | 2009-01-06 16:46 | 映画

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