映画「リトル・チルドレン」(Little Children)   

レンタル半額期間にまたまた5本ほど借りてきてしまったので頑張って観ています(笑) あまり期待せずに観たのですが、なんとなく心に残る不思議な作りの映画でした。

郊外の住宅地に転居してきて、子供を公園で遊ばせている専業主婦のサラ(ケイト・ウインスレット)は、他の保守的な主婦たちから疎外感を感じています。目下の彼女たちの関心は、その公園に子供を遊ばせにくるイケメンの父親(パトリック・ウイルソン)。「プロム・キング」とあだ名をつけて、今日は来るか来ないかを話題にしています。そんな主婦仲間をからかう気持ちから、ある日サラは、その男性に声をかけ、ハグをしキスまでしてしまいます。驚いてあわてて子供を連れて家に帰る主婦仲間たち。。。完全に「いかれた女」扱いにされたサラは、夫の変態趣味的な現場を見てしまったこともあり、これをきっかけに変わろうとします。若い頃の自分を取り戻そうと新しい水着を購入し、イケメン父親、ブラッドに近づきます。一方、サラにキスされたブラッドはキャリアウーマンの妻を持ち、自身は子守をしながら司法試験に向けて勉強中の身。美人の妻(ジェニファー・コネリー)に比べて数倍魅力が劣るサラと子供を遊ばせながらいろいろ語っていくうちに次第に惹かれて行きます。そんなおり、性犯罪で服役していたロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が戻ってくることになり街は大騒ぎ。街中の人に嫌われているロニーですが、彼にも彼をこよなく愛する母親がいた。。。


サラとブラッドの子連れ不倫だけだとありふれた映画なのですが、そこに元犯罪者と母親との関係、元警官のラリーの狂気、主婦たちにフランスの作家フローベルの書いた「ボヴァリー夫人」(不倫で身を崩す有閑主婦の話し。。)を語らせたりすることを織り込むことで、この映画を複雑にし奥行きを与えているように感じます。

「リトル・チルドレン」というタイトルから察するに、大人になりきれない大人たち、若い自分を懐かしみ、他の人生を生きる自分を夢想する大人たちの悲哀を描いている映画なのでしょうか。「プロム」という言葉、アメリカンフットボールに興じる大人たち、スケボーをする若者たち、派手な水着、、、これらが「若さに対する憧れ」を表すモチーフのように感じました。

それにしてもケイト・ウインスレットはすっかり「ダサイ女」のイメージがついてしまったみたい。映画「ホリデイ」でもそうだったし。この映画でも最初オーバーオールを着て登場するのですから!「タイタニック」では、華麗なお嬢様だったのに。。。。

ブラッド役の男性は「オペラ座の怪人」のラウル役の人でした。「アラモ」にも重要な役で登場していました。あまりインパクトの強くないハンサムさんですが、いい体しています~。

それと、なんといっても印象的だったのが、元性犯罪者のロニー役のジャッキー・アール・ヘイリーという人! ものすごく不気味な形相でしたが、この人、なんと子役出身なのですと!「頑張れベアーズ」にもでているらしい。へ~~~。犯罪者の息子を深く愛する母の愛に涙しました。

それと!主婦仲間のなかに私の大好きな映画「ステラ」の娘役の人が出ていました!一見してすぐわかった。年相応に老けていたけれど可憐な印象のままでした。

子供を持つ母でありながらも、一人の女として自分の夢、自分の人生を紡いで行きたいと願うサラに共感してしまいました。考え事をしているときに、やいやい言ってくる子供はうっとおしい存在。ついぞんざいな言い方をしてします。でも次の瞬間には反省し子供を抱きしめる。でもその次の瞬間にはまた。。。。 その繰り返し。

でもやはり、子供は親にとってかけがえのない存在なのです。
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by oakpark | 2008-04-05 22:52 | 映画

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