アン・マーグレット自伝   

アン・マーグレットという女優さんのことは、エルヴィスのファンになって初めて知りました。
エルヴィスの15作目の映画「ラスベガス万歳」で共演した女優さん。どうやら二人は一時期恋愛関係にあったらしい。エルヴィスは亡くなるまでずっとアン・マーグレットの舞台の初日に花を贈り続けたらしい。エルヴィス関連本を読むと、すぐにそういったことがわかってきました。さらにはこんな記述も。「この映画でエルヴィスはアン・マーグレットに食われたと言われ、エルヴィスのマネージャーのトム・パーカーはそれ以降一切エルヴィスを大物女優と組ませなかった」

アン・マーグレットって大物女優だったんだ、というのがそのときの私の感想。
映画が好きで結構映画は観てきたつもりだったのですが、アン・マーグレットには出会ったことがありませんでした。エルヴィスが21,2歳のころ少しだけ付き合いのあったナタリー・ウッドのことはもちろん知っているし、「燃える平原児」で共演したバーバラ・イーデンのことも知っていました(「かわいい魔女ジニー」の大ファンなので)。でもアン・マーグレットのことは知らなかった。

エルヴィス関連本をさらに読み進むとこんなことも書かれていました。「エルヴィスとアン・マーグレットは似ているところも多く、アンは「女エルヴィス」と呼ばれていた」 へ~~。エルヴィスみたいな女の人ってどんなのだろう。エルヴィスみたいにセンセーションを起こしたのかしら。だとしたらおてんばなはず。エルヴィスは女らしい女の子が好きだと思っていたのに。俄然興味がわいてきました。

というわけで、アン・マーグレットの自伝「My Story」をe-bayで手に入れました。

以前、ドリュー・バリモアの自伝を原書で読もうとして(ほんと、伝記物が好きですね)挫折した経験があるのですが、この本は読みやすかったです。短い章に分かれているし、字が大きく、比較的平易な英語で書かれています。エルヴィスの名前がいつ出てくるかなあという期待感もあって、さくさく読めました。

もちろんエルヴィスのことだけでなく、アンの人生にも興味が持てました。この先どうなるのだろう。どうやってハリウッドに進出し、どうやって成功して行ったのだろうと、どんどん先が知りたくなりました。スゥエーデンで生まれ、6歳の時に、先にアメリカはシカゴに住み着き家族を迎える準備をしていた父親に合流する形でアメリカに渡ります。特に専門的なレッスンを受けたわけではないのに、小さい頃から歌と踊りに才能を見せ始め、学芸会などで卓越したパフォーマンスを見せ、大学を中退してついにチームを組んでプロとしての道を歩み始めます。いくつかのラッキーな出会いから、とんとん拍子に成功していき、映画にも進出。エルヴィスに出会います。二人は意気投合し、しばらく良い関係が続きますが、エルヴィスには「果たさなければならない義務」があったので、二人は別々の道を歩み、アンはロジャー・スミスと結婚。幸せな結婚生活を送ります。しかし、仕事の行き詰まりやアルコール中毒、ショーの途中で舞台から落下するなど不幸にも見舞われます。ロジャーの連れ子3人と一緒に住み、良い関係を築きますがついに自分の子供は授かりませんでした。しかしロジャーというよき伴侶を得て、幸せに暮らしているという内容です。

読み終わって、術にはまってしまったのかもしれませんが、「アン・マーグレットっていい人だな」と思いました。でも、冷静に考えてみると、前回の日記に書いたように、これは自伝なので自分の悪い点や醜い部分なんて書きませんよね。他人の悪口も書いていません。いつもいい人ばかりに囲まれて、ラッキーな芸能生活だったように書かれています。夫のロジャー・スミスのこともべた褒め。「彼のいいところは、私とエルヴィスの関係に嫉妬しないこと」なんて書かれていて、ほんとかな~~~と思ってしまう箇所もありました。連れ子ともいつもいつもうまく行っていたというわけでもないだろうな、と思うし。

でも、エルヴィスがずっと花を贈り続けたほど気に入っていたのが少し判るような気がしました。活発で明るく、才能豊か。両親に愛されて育った一人っ子で、甘えん坊で、やさしい。運動神経も抜群でバイクが大好き(撮影所にバイクで通っていたらしい)。普段はシャイだけれど内には熱いものを秘めていて、危険なことも好き。やはり、エルヴィスに似ているのかも。恋人というより、兄弟みたいなそんな感じがします。

エルヴィスの死にまつわる記述はやはり泣けてきました。
1977年の8月15日にアンのショーの初日があったのですが、その日は初めてエルヴィスからの花のプレゼントが届かなかったそうです。そして16日に電話が鳴りロジャーが受けたのですが、その表情を見て、アンはエルヴィスのことだとすぐわかったとか。エルヴィスの側近に来ないようにいわれたにもかかわらず、もし逆の立場だったら、彼は絶対来てくれるはずと思ったアンは、ショーを中断してグレースランドに駆けつけます。でも、棺の中のエルヴィスはちらとしか見ることはできなかった。ちゃんとさよならなんて言えなかった。
この章の最後はこんな言葉でくくられていました。
It's rare to have such a friend as Elvis, rare to have such a soul mate.

ここまで読むと、あとは惰性で、ざっと流し読み。
結局エルヴィスが目的だったのかい、と自分で突っ込みたくなりましたが、いや、なかなか面白い伝記本でした。 エルヴィスのファンになっていなかったら絶対読むことはなかっただろうと思われますが、よい勉強になりました。

最後にもうひとつ。アン・マーグレットはケネディ大統領のバースディに招待され、大統領の前で歌ったそうです。あの、マリリン・モンローのパフォーマンスの翌年です。やはり、アン・マーグレットは大物女優だったのですね!

by oakpark | 2007-06-05 23:47 | | Comments(10)

Commented by willow42 at 2007-06-06 15:57 x
ブログ開設おめでとうございます。下柳ファンの私でございます。Juneさんの文章はとても読みやすいね。更新を楽しみにしていま~す。
Commented by June at 2007-06-06 19:25 x
willow42さん、コメントありがとうございます!阪神の下柳ファンのあの方ですね。最近、同じマンションに 甲子園在住だった方を発見しました。私と幼稚園も小学校も同じだったようです。もうびっくり!虎風荘は、まだあるそうです。阪神がんばれ~~~!
Commented by chiblits at 2007-06-07 14:49 x
ラスベガス万歳で初めてアンマーガレットを中学生か高校生の時にみました。お友達がブレスリーファンだったので。なのでプレスリーは結構見たような記憶があります。でもアンマーガレットとプレスリーと仲が良かったなんて今まで知りませんでした。
Commented by June at 2007-06-07 15:11 x
おお。chiblitsさん、早速ありがとうございます!ふふふ、そうなんですよ。というか、そうだったみたいですよ。結婚したかったという話もあるようなんですよ。そういえば、chiblitsさんの日記にリサ・マリーの結婚式の話がありましたね。私も時々夫の出張土産に「People」誌を買ってきてもらうことがあります。《整形前、整形後》とか、いろいろ刺激的な記事がありますよね。
Commented by nandakanda46 at 2008-09-04 14:40 x
生まれ故郷スウェーデンに戻った日々のドキュメンタリーを観て涙もろい私はジーンと来るものがありました。「愛の狩人」から大物到来を予感させ更に男性ファン必見とならば(すんましぇん)・・。
ただ俳優の転落事故後の完全復帰って先ずなくて気の毒ですね。それだけいつも危険と直面している訳だ。エルヴィスも体育館から落ちたら大変!よ。
Commented by June at 2008-09-04 23:14 x
★ nandakanda 46 さん

ドキュメンタリーもたくさんご覧になっているのですね!
nandakanda さんも涙もろいのですか? わたしもなんですよ。私の父が涙もろいんです。

アン・マーグレット、当時はかなり人気があったようですが、なぜ私たちの世代の人間に名が売れていないかというと、代表作があまり有名な映画ではないからではないでしょうかね。 きっと、アン・マーグレットといって知っている40代の人って少ないと思います。

>エルヴィスも体育館から落ちたら大変!よ
ほんと、ほんと。 アン・マーグレットが相手ということでかなり張り切って踊っていますが、危ないですよね~、たしかに。そういえば、このシーンではエルヴィスの服の色が後ろの壁の保護色のようで目立たず、アンばかり目立って腹が立つ!といつも言っている友達がいます。
Commented by hs at 2012-10-21 23:59 x
興味深い話をありがとうございました。こんなインタビューもあるみたいですね。 https://www.youtube.com/watch?v=oRMOR8i5RMY 年をとってもかわいいなぁと思うのは私が40すぎのオッサンだからでしょうかw
Commented by June at 2012-10-22 21:40 x
♪ hsさん

コメントをありがとうございます。
本当に、アン・マーグレットは可愛い人ですね。セクシーでもあります。
動画の紹介をありがとうございます。以前に一部は見たことがあるように思いますが、今回この動画を見て、エルヴィスのことをとても大切にしていることがよく伝わってきて感動しました。

私はもっと上のオハサンです~。でも、心は若いです(笑)。
Commented by アンは私の初恋の人 at 2015-11-11 21:29 x
アン・マーグレットは当時大変な人気女優で、今で言う60年台半ばの一時期ですがまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。スティーブ・マックィーンと共演したシンシナティ・キッズ、アラン・ドロンと共演した泥棒を消せ、ディーン・マーティンと共演したサイレンサー沈黙部隊、堂々の主演をこなしたメイド・イン・パリ、スィンガー、など当時は一世を風靡した人気者でした。映画雑誌「スクリーン」ではいつもトップページのグラビアを飾る本当に魅力的な女優でした。歌って踊れる女優なんてアン・マーグレットしかいなかったです。しかしこの歌って踊れるが災いしたのか、当時は社会を席巻したフラワームーブメントの中で音楽の質が激減して、アンやエルビスの世界が無用の長物となってしまったのでしょうね。でも、今でもアン・マーグレットは本当に魅力的な女優さんだったともいます。あのハリウッドで永年一人の男性と添い遂げたのですから人間的にも素晴らしい女性なのだろうと思います。エルビスは本当に好きだったんでしょうね。
Commented by oakpark at 2015-11-14 23:29
♪アン・マーグレットは私の初恋の人 さま

コメントをありがとうございます!
そうなんですね=。歌って踊れる女優さんなんてあまりいなかったのですね。 『シンシナティ・キッド』は観ましたよ。 『ラスベガス万歳』のころより、ずいぶん色っぽくなってました。でも、彼女の場合、色っぽくありながら、チャーミングでかわいらしくもありますね。セレブであっても普通の人としての感覚も忘れてなかったのではないかなあ。
エルヴィスとアンは、一人っ子同士。兄弟のような感じもあったと思います。エルヴィスがもっと長生きしていたら、ずっと仲の良い友人であり続けていただろうなあ、と思います。

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