本『映画と本の意外な関係!』 町山智浩   

映画評論家の町山智浩さんは、映画に関することやアメリカの歴史や、現在の政治や文化についてなど、いろいろなことを書いて本にしているが、こういうことも書くのですね、という新鮮な驚きがありました。映画と本都の関係や、映画の中のせりふの元ネタになった詩についてなど、とっても知的レベルの高い内容になっています。こういう本もどんどん書いていただきたいです。
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'いろいろと興味深い内容がありましたが、なかでも、私の大好きな恋愛映画「恋人までの距離 (Before Sunrise '95)」とその続編映画(でも私は最初のが一番好き)にかなりのページを割いてくれていてうれしかったです。この映画は、アメリカ人大学生のジェシー(イーサン ホーク)が、ヨーロッパ旅行中に偶然出会ったかわいい女の子、セリーヌ(ジュリー デルビー)一晩、語り合いながら街を歩く、というただそれだけの映画。ほとんどがとめどなくあふれてくる会話で構成されています。ここまでしゃべり続けるのもすごいなあ、と思うし、それだけ、一偶然の出会いでうまがあったんだろうな、とほほえましくなります。そして、ジェシーの飛行機の時間が来て、電話番号も聞かず別れてしまいます。

町山さんの解説を読みながら、今までの自分の人生を振り返り、たまたまた出会い、自分に好意を持ってくれたのに邪険に扱ってしまったなあと、思う事例が2件あるなあ、と思い出していました。どちらも女の子なんですけどね。

一つ目は、小学校の一年生の時。名前も顔も忘れてしまいました。覚えているのは雰囲気だけ。賢そうな女の子でした。正確には覚えていないし、実は本当にそんなことがあったかどうかも最近では自信がないのですが、ある時その女の子に、「今日、うちに遊びに来て」と誘われたのです。当時私は団地に住んでいて、女の子の家は同じ団地内だけれど、自分の家からは少し遠いと感じる場所にあったと思います。そのときのかんじ、え?なんで私を誘うのかな。特に友達ってわけでもないのにな、と思ったことをかすかに覚えています。少し前の算数の時間にこんなことがありました。先生が算数セットの中にある棒で「11」を作ってください、と言いました。私は、単純に棒を2本出して、それを並べて「11」にしました。すると、先生が、はい、そこと、そこの子、前に出てきてみんなに見せてください、といいました。なぜか私が指名され、もう一人指名されたのが、その女の子でした。私は、何の疑問も持たず、2本の棒を高らかに掲げたのですが、なんとその女の子は10本の束と1本の棒を頭上に掲げいていたのでした先生が言いました。「さあみなさん、どちらが正しいでしょう?」そのあとはもうお分かりですね。私は50年後も忘れない大恥をかいたのでした。そんなことがあったせいか、私は約束を破ってその子の家に行かなかったのです。もしかしたら、その利発な女子は、私のことをかわいそうだと思ってくれたのかな、でも友達になりたいと思ってくれたのかな、といろいろ思ってしまうのですが、答えは永久にわからないまま。なぜなら、その女の子、あくる日に引っ越してしまったのです。なんであの時、意地を張らずに遊びに行かなかったんだろうと、その後時々思い出します。

もう一つは、24歳の時に、イギリスのカレッジのサマースクールに参加した時のこと。いろんな国から、いろんな年齢の外国人が参加していました。スペイン人が多かったかな。日本人も数人いました。韓国人もフランス人もいました。ヨーロッパの人たちは、日本人にはあまり興味がなさそうでした。そんな中、ひとりの東ドイツの女の子が私によく話しかけてくれました。お互いつたない英語で、少し会話を交わしました。でも、当時の私は東西に分断されているドイツのことにも、英語のつたないヨーロッパの人にもあまり興味がなかった。英語を学びたくて、英語ネイティブの人としゃべりたいと思っていた。あまり友好的な態度を示さず、連絡先も交換せずに別れてしまった。その5年後にベルリンの壁が崩壊したとき、あの時の彼女はどうしたかなあ、と思い出した。そういえば、西に住んでいる親戚とは会えない、というようなことも言っていたな、親戚とは会えたかな。ちゃんと連絡先を交換していたら、律儀そうな彼女とその後も交流を続け、興味深い話もたくさん聞けただろうに。

「恋人までの距離」の続編の「ビフォア サンセット」で、ジェシーが「なんで僕たち、あの時電話番号を交換しなかったんだろう」というと、セリーヌが「若いうちは一つ一つの出会いを大事にしないからよ」と言うのだけれど、まさにその通り。もっと大事にしておけばよかった。

「恋人たちの距離」の最後で、ジェシーがセリーヌとの別れを惜しんで詩を暗唱するシーンがある(らしい by町山さん)。それは、W.H.オーデンという詩人のこういう詩らしい。 心にしみる。

年月がウサギのように
逃げ去っても
僕はこの腕に
永遠の花を抱く
世界最初の愛のように

しかし街中の時計が
鐘を鳴らし始めた
時はごまかせないよ
時は征服でいないよと

# by oakpark | 2017-02-25 16:41 | Comments(0)

「沈黙」遠藤周作 を読んだ   

このところ、腰を据えてパソコンに向かえず、じっくり考えて文章を書くこともままならない日々。
でも、メモ程度には、読んだ本、観た映画、 考えてこと、などを残していこうと思う。

遠藤周作の「沈黙」を読んだ。有名な本なのに、読んだことがなかった。 マーティン スコセッシ監督の「サイレンス」が公開され、町山智浩さんの解説が素晴らしいと、ツイッターで多くの人が書いているので、これは映画を観なければ、そして原作の本も読まなくては、そして町山さんの解説を聞かなければ、と思った。

順序として、本来は、本→映画→解説 なのかもしれないが、まず本を買い、読み始め、そして我慢できなくなり、有料だけれど解説を先に聴いてしまった。そして読了。映画は映画館で観る勇気がないので、レンタルで観ることになりそう(しかもとばしながら・・・?)

いろいろ考えた。
町山さんのいう、スコセッシの抱く劣等感が、遠藤周作の劣等感と共鳴し、「サイレンス」構想へ。スコセッシのメンター的存在であったエリア カザンへの想いも、込められている、とは。

ひるがえって、現実社会。
ただいま、受験の真っ盛り。 教え子も、そしてわが子(末っ子)も。
なかなか思い通りにはいかない。

「沈黙」で、踏み絵を踏んだ人と、踏まなかった人との違いは?と考えた時、とっても卑近な例、ではあるが、同じくらいの努力あるいは、それ以上の努力をしたのに、大学に受かる人と、受からない人の違いは? を思ってしまう。

もしかしたら、受からなかった人のほうが得たものは大きいのかもしれないのだ。

# by oakpark | 2017-02-22 12:33 | | Comments(0)

Hulu 観てます Mentalist, Sex and the City, 「追憶」   

さて、相変わらず、なかなかブログが書けません。 日々、いろんなことを感じていて、書き留めておきたいなあと思うのだけれど、別のことに時間がとられることが多いこの頃です。

なので、ここに書いていなかったけれど、去年からHulu に加入しています。月々1000円ほどでドラマや映画が見放題です。主に、英語のリスニングを鍛えるために、英語のドラマや映画を観ています。字幕なしで観るぞ! あるいは、英語字幕で観るぞ! と思って見始めるのだけれどいつも途中でわからなさに耐えられなくなり、日本語字幕にしてしまう、心の弱い私です。

今のところ、シリーズ全部見たアメリカテレビドラマは「メンタリスト」。なかなかよくできたドラマでした。脚本家さん、すごいわ。アメリカドラマは、日本と違って、人気が高ければ、いつまでも続くので、続編に次ぐ続編を、最初のころと齟齬がないように継ぎ足していかなければいけません。大概、シーズン3、とか、4くらいから、だんだん面白くなくなってくるものです。私の大好きな「ホワイト カラー」もそんな感じでした。 最初の勢いがなくなったなと、シーズン4,5くらいに思いました。ところが、「メンタリスト」は後になるほど面白くなっていったように思います。一つの大きなミステリーが解決すると、今度は人間ドラマとして素晴らしかったし、ラブストーリーとしても感激しました。シーズン7でいい感じで終わりました。

このドラマでも描かれていた、おちゃらけた男性とまじめな女性という組み合わせは、恋愛映画のベストカップルですね。「風と共に去りぬ」もそうだし、「ローマの休日」もそうじゃないですか? そして、私は久しぶりに、バーバラ ストライザンドとロバート レッドフォード共演の名作「追憶」を思い出していました。 そして、家にDVDがあったので、久しぶりに鑑賞しました。
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というのも、最初のHuluの話に戻るのですが、「メンタリスト」に続き、'Sex and The City'を観たからなんです。あの、過激でファッショナブルで話題だったドラマです。いやほんと過激でした〜。HBOとはいえ、テレビで放映していたなんて、大丈夫だったのでしょうか。過激シーンはあまり好きでない場合もあったけど、毎回変わるファッションと、女同士の友情描き方はすばらしかった。こんなふうになんでも話せる友達がいたらいいだろうなあ、と思いました。そして、このドラマの第2シーズンのラストのエピソードに「追憶」に絡めて、主人公が心情を吐露する名場面があるのです。このシーン、何度見てもすばらしい。4人の掛け合いのセリフ、追憶のテーマソングの歌唱、カーリーヘアの女の子は、complicated (複雑)だとする解釈など、など。そういえば「追憶」で、社会運動をしていた頃のケイティ(バーバラ ストライザンド)は、カーリーヘアで、ハンサムなはベル(ロバート レッドフォード)と付き合い始めると、巻き毛を伸ばし、二人が別れた後、またカーリーヘアに戻っています。改めて「追憶」を観ると、'Sex and the City'は、まさにこの映画へのオマージュだったのか、と思わずにはいられません。 それほど美人ではにけどチャーミングな女の子が、誰が見てもハンサムで人気者の男の子に恋するシチュエーションなんてそっくり。女の子は賢くて、男子にも負けないと粋がっているけれど、恋心というのは、いかんともしがたい。その辺の女の子の切なさが、「追憶」では、すごく上手に描かれています。SATCのおかげで、この名作映画をもう一度観ることができて、良かった。 この時のロバート レッドフォードは、役に本人の雰囲気がぴったりで、とっても説得力のある演技です。「華麗なるギャツビー」は、あまり合ってなかったなあ。「追憶」を観ていて、もうひとつ。前日に読み終えた、遠藤周作の「沈黙」とも、あることでつながった。この話はまた別の機会に。




# by oakpark | 2017-02-08 21:20 | 海外テレビドラマ | Comments(0)

第45代アメリカ大統領、と副大統領   

去年から私が気になっていたこと。それは、アメリカ合衆国がどのような方向に行ってしまうのか、ということ。もちろん、日本人だから、日本の将来のことも気になる。でも、やはり思春期に恋に落ちた古い初恋の相手のことは誰しも気になりますよね?

アメリカには、いやなこともたくさんあるのは知っているし、周りの友人たちを見ても、アメリカの悪口を言う人はとても多い。以前よりさらに多くなってきている感じもある。でも、私にとってアメリカは中学生の時からの憧れの国であり、そして身近な国でもある。10年前にエルヴィス プレスリーのファンになってから、さらにアメリカのことが気になるようになり、その複雑さにますます惹かれた。大きい国だけれど、とても内向きな国でもある。自由な国というイメージがあるが、とても保守的でもある。世界の警察の役目も果たしていて、大人の成熟があるのかな、と思うととても子供っぽい面もある。あほなのか、と思うと、とても賢くもある。単純なのか、と思うととても深くて複雑だったりする。アメリカはこうだ、と単純に言い切れないところに、私は魅力を感じるのです。

そして、その初恋の相手、アメリカに、ついにトランプ大統領が誕生してしまった。私が知っている大統領の中で一番大統領にふさわしくなさそうな人がなってしまった。さかのぼってみると、私が生まれたときは、第34代ののアイゼンハワー大統領だったようだ。幼年時代はケネディ大統領とジョンソン大統領。もちろん、リアルタイムの記憶は全くない。私の記憶に登場するのは、第37代ニクソン大統領からだ。子供のころは、大統領はニクソン、総理大臣は佐藤栄作という覚え方でよかった気がする。それが、その後どんどんころころ変わるようになり、覚えられなくなった。アメリカは、ずっと遠くて大きな存在だった気がするが、ブッシュ父大統領のころから、もっと近くてその分不確かな存在になってきた。自分が大人になったからでもあるだろう。今の、日本のアメリカのそして世界の子供たちは、今回誕生した第45代大統領のことをどのように記憶するのだろうか。

トランプ大統領は選挙戦からずっと、スローガンとして Make America Great Again と言ってきた。でも、'great' とは何を意味するのだろうか。 私は、今からもう24年前になるけれど、夫の仕事の関係でロサンジェルスに1年だけ住んだことがある。それまで、アメリカには3回(新婚旅行のハワイを含めて)訪れたことがあったが、居住したのは初めてでとてもうれしく興奮したことを覚えている。最初は何もかもが新鮮だった。特に感心したのが、どこにでも障がい者用のスペースが用意されていることだった。駐車場なら、日本もあったかもしれない。でも、当時住んでいた街の近くにあった浜辺に板が敷いてあって、車いすでも海の近くまで近づけるようになっているのを見て、アメリカはなんと懐の深い国なんだろうか、と感心したものだ。まさに、地理的にだけでなく、心もgreatな国だと思った。ところが、今回のトランプ大統領は、選挙戦中に障がいのある記者の物まねをしたり、女性蔑視発言をしたり、移民排斥発言をしたり、何かと、心の広さや深さに問題があると言わざるを得ない人物だ。アメリカ大統領は、やはり立場上、国民の精神的な支柱になり、国の方向性を示す存在でもあるので、本当に大丈夫なのか?と心配になる。でもまあ、今までも完璧な大統領はいなかったのだろうし、なんとか切り抜けていくのでしょうか。

さて、本題の、気になる英語のセリフについて書こうと思う。
といっても就任演説のほうではなくて、就任宣誓のほう。 まず、全文書いてみる。

マイク・リチャード・ペンス副大統領の宣誓
I. Mike Richard Pence , do solemnly swear that I will support and defend the Constitution of
the United States against all enemies, foreign and domestic, that I will bear true faith and allegiance to the same, that I take this obligation freely without any mental reservation or purpose of evasion, and that I will well and faithfully discharge the duties of the office on which I am about to enter. So help me God.

ドナルド・ジョン・トラン大統領の宣誓
I, Donalr John Trump, do solemnly swear that I will faithfully execute the office of President of the United States, and will to the best of my ability, preserve, protect and defend the Constitution of the United State. So help me God.

まず、二つの宣誓を聞いて(リアルタイムで聞きました)、予備知識なしで思ったのが、副大統領のほうが長いな、ということ。そして最後に神様にお願いするのだなということ。そして、ちらっとマイク・ペンス氏かっこいいな、とも思いました。お子さんが男の子一人と女の子二人の3人というのもその時初めて知りました。同時に、英語学習者として、あんなふうにリピートできないなあとも思いました。

さて、それはさておき、スクリプトを見て思ったことは、とにかく、憲法が大事なんだということ。大統領のスクリプトを見ると、preserve, protect ,defend と「守る」という意味の単語を三つ重ねています。私の感覚だと、後になるほどより積極的な意味合いになるように思います。あと、大統領のほうは、President of the United Statesの職務となっているのに、副大統領の宣誓には vice president という言葉はないですね。あくまで、President という言葉は大統領のもの、という感覚なのかもしれません。ほかにも、この単語、こういうところで使うのね、というのもありました。

新しい閣僚のメンバーもいろいろ気になるところです。こんな風にアメリカの政治が気になるようになったのは、自分が子育てをほぼ終えて余裕ができたこともあるけれど、トランプという、なんとも気になる(気に障る?)人物が出てきたことがより大きいです。トランプ氏のおかげで仕事の増えた人もいるでしょう。私も英語学習の意欲が刺激されましたよ、ほんと。今年もがんばろう。



# by oakpark | 2017-01-21 13:07 | 気になる英語のせりふ | Comments(2)

2017年!   

またまた一か月近く空いてしまった~~。
今年はブログを始めて10年目を迎える年だからもう少しまじめに書かなくちゃ。


さて、去年2016年の成績は
読んだ本が26冊、観た映画(DVD含む)が64本でした。

2016年最後に読んだのが、「聖の青春」、映画のほうは、1984年の「パリ・テキサス」でした。

今年はもう少し本を読みたい(と、毎年言ってます)。



# by oakpark | 2017-01-19 00:00 | 映画&本 | Comments(0)

映画「ブルックリン」   

いや~~、すごくよかったんです。
同時期にアカデミー賞候補になっていた、「キャロル」や「リリーのすべて」を先に観て、こちらが一番最後になってしまったのですが、私は一番感動したし、一番ハラハラしたし、心を揺り動かされました。まだ、余韻に浸っています。
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「ブルックリン BLOOKLYN (2015)」 監督:ジョン・クローリー 出演:シアーシャ・ローナン、 エモリー・コーエン、ドーナル・グリーソン

本当にもう 久々に感動の恋愛映画でした! って、一般的には、「恋愛映画」としては売り出されていないかも。allcinemaのサイトにも〈愛が見えない街で、私は未来を探していた〉とありますもの。 はいはい、そういう映画なんです、もちろん。 いろんなサイトを見ても、そのように書いてありますし、私も、この映画は一人のアイルランド出身の女の子の成長物語がテーマになっていると認めます。主演のシアーシャ・ローナンがよかった、というのも、まあそうかな、ともおもいます。「つぐない」や「ラブリーボーン」では、儚げでいて、意志の強そうな美少女でしたが、すっかり、がっしりと大きくなりましたね。

でも、でも、言わせてください。
私は、なんといっても、トニーを演じた、エモリー・コーエン君が素晴らしかったと思うのです。シアーシャ演じるエイリッシュちゃんが、アイルランドからニューヨークのブルックリンに移住し、そこのダンスパーティで、声をかけてきたイタリア系のあんちゃんです。ほんと、「あんちゃん」というのが似合いそうな、なんというか、けだるい感じのしまりのない感じの,優柔不断な感じの優男で、うまく自分の気持ちを伝えられなくて、ときどきエイリッシュちゃんに「言いたいことを早く言ってよ」なんて言われるんだけれど、そこがいいんです! エイリッシュちゃんのことが大好きで大好きなんだけれど、なかなかズバッとストレートにアタックできないの。毎日、エイリッシュちゃんの仕事帰りを待って、家まで歩いて送って行ったり、なんかね、純粋でかわいいんです。 携帯や電話や車さえもなく。彼女に近づいて眼を見て話すのが愛の表現。背が高くなくて華奢で、田舎娘だけれど、たくましい感じのエイリッシュちゃんと並ぶと、大丈夫なのかなあ、、、、と思えるようなそんな存在感。それもまたリアルでよかった。職業は、配管工。町山智浩さん解説によると、移民の人たちの職業として配管工はとても多かったそう。そうそう、トニーくんはイタリア系の移民なんです。

ネタバレをあまりせずにこの映画の魅力を語るのは難しいけれど、ある日トニー君は、やっとの思いでエイリッシュちゃんを、自分の家の食事に招待するのです。一番下の弟が、変なこと言うかもしれないけれど、気にしないでね、と言って。追い出そうとしたんだけれどうまくいかなくて。なんてセリフもかわいくてリアル。 このシーンは、この映画が好きな人のほとんどが好きなシーンだと思うけれど、とってもいいシーン。弟君がいい味出してます。

でも嬉しさに舞い上がってしまったトニー君は、つい、調子に乗って口が滑って変なことを口走ってしまいます。そのことでエイリッシュちゃんは気を悪くしたのか、家まで送っていく道すがら、なんとなく乗りが悪く冷たい感じ。トニー君は、なんでかなあ、嫌われちゃったのかなあと、気にしているの(たぶんね)。 で、あくる日のエイリッシュちゃんの勤め帰り、いつもいるはずのトニーがいない。あれ、どうしちゃったのかな、私が違和感を感じたことを察してトニーは身を引いたのかしら、なんて、思い始めた時、息を切らしてトニーが走ってくる。このあたりのシーンが大,大,大好きです。 恋愛って、こんな感じですよね。すれ違いそうで、すんでのところでつながる、みたいな。。。

恋愛映画ってたくさんあるけれど、本当にリアルに,「好き」という感情を出せる役者さんは少ないと思う。今回、トニーを演じたエモリー・コーエンくんは、ほんとよかった。調べると生粋のニューヨーク育ちのユダヤ系みたいです。普段のしゃべり方も、あんな感じで、単語がつながる感じのしまりのないしゃべり方。知的には見えないけれど、「良い人」が前面に出てる。笑った時のくしゃっと眉毛が下がる感じがとってもかわいらしいです。今後の活躍に期待したいです。

この映画,ところどころに、ユーモアもちりばめられていて、クスッと笑えるセリフも多くありました。イタリア系のボーイフレンドができたことを知って、エイリッシュの女友達が「その人、ママのことや野球の話をする? え、しないの? じゃあ、キープよ」とか。水着の着替え方がニューヨークとアイルランドでは違うとか。

1952年が舞台で、トニーとエイリッシュが一緒に見に行った映画が「雨に唄えば」。このころの若者はとにかく、結婚することが一大イベントだったようです。独身の年頃の女性は毎週のようにダンスパーティに行って、「良い人」を探すのですね。この当時の世相がよく表現されています。そしてお洋服の色がきれい。アイルランド出身の女性の物語ということで緑がたくさん使われています。黄色も印象的でした。私が初めて、緑がアイルランドの色だと知ったのは大学生の時、ホームステイ先の家族がセント・パトリックDay(3月17日)に、全員緑のお洋服を着ていて、何だろうなあ、と思ったものです。今思えば,アイルランド系の家族だったのかもしれません。

後半、故郷のアイルランドを訪れたエイリッシュに思ってもいなかった人生の展開が待っています。このあたりから、観客はドキドキものですよね。いったいどうなるんだ、と。街の人たちもみんなそっち方向に期待しているみたいだしね。友人の結婚式に出席したときに、近寄ってきてエイリッシュを冷やかすおばあさんがおかしかった。ニューヨークの女子寮の寮長にしても、わきを固めるべたランの演技は映画に奥行きを与えますね。

最後のシーンでは、2回観て2回とも泣いてしまった。
私の大好きな映画、「恋のドッグファイト」に似てるんです。どちらも、待ってるほうが、近づいて抱擁するのですね。この時のエイリッシュのお洋服もかわいいです。


あー、ネタバレせずに説明するのが難しいです。

本来は、田舎から都会に出てきた女性の、成長と自立を描いた映画,ということになるのでしょうが、私にとっては、学はないけれど新天地のニューヨークに住む素朴で優しいトニー君と、大好きな故郷アイルランドに住んでいる,育ちの良い落ち着きのあるジム君の間で揺れ動く、賢いエイリッシュちゃんの話と観ました。

最後のほうで、I'd forgotten.といって、故郷の海の美しさと、故郷の人々の意地悪さを再認識するあたりは、田舎から都会に出てきた女性ならみんな一度は感じたことがある,エピソードなのではないでしょうか。

ただ、もちろんそれだけではなく、最初に私が涙ぐんでしまったのは、エイリッシュがアイルランド出身の年配の人たちを教会主催のクリスマス食事会のお手伝いをしたときに、お礼にと言って年配の男性が歌うシーンです。古いアイルランド語なのか、意味は全然わからないのだけれど、心に染み入る郷愁を誘う歌で、音楽って万国共通だなあと思いました。私の大好きな「ダニーボーイ」もアイルランドの曲だし。アイルランドの音楽、なんか好きかも。

それと、脚本がニック・ホーンビーで、これまた私の大好きな「17歳の肖像」の脚本家でもあるのですよね。ニック・ホーンビー,好みかも。

「ブルックリン」,お勧めします。

# by oakpark | 2016-12-21 21:44 | 映画 | Comments(0)

本「さよなら コロンバス」   

用事で大阪に来ていて、1人でホテルに宿泊している。1人でホテルなんて何年ぶりだろう。開放感ありすぎて眠れなくなりそう。今はスマホという、おもちゃもあるしね。

もちろん、うちでも1人になれるけど、開放感が全然違う。家の中だと、家事や宅配や周りの生活音が気になるし、外に出てカフェなどで時間を過ごすときも、夕食の時間や子供の帰宅時間が気になる。すぐ現実に引き戻されてしまう。

だから、旅行に出た時こそ私は雰囲気が大事な小説を読むようにしている。今回選んだ、フィリップ ロスの「さよなら コロンバス」はまさにそんな感じの小説だ。劇的な何かが起こるわけではない。ただ、若い男女の出会いと恋愛、そしてその終焉を、ユダヤ人家族のコミカルさや身分違い(経済力違い?)から生じる歪みを絡ませながら描いた小説だ。

一瞬で恋に落ちる瞬間って、やはり肉体の外見からなんじゃないかと思う。言葉や雰囲気で恋に落ちる場合ももちろんあるけど、肉体の魅力の強烈さにはかなわない。この小説の主人公のニールは、ある夏の日のプールサイドで、女の子に眼鏡を持ってて、と言われた。その女の子、ブレンダが泳いで戻って来て眼鏡を受け取ってくるりと向こうを向き水着のお尻の部分を指でつまんで引き下ろしたとき、ニールは恋に落ちる。行数にしてたったの9行。恋に落ちるのってそんなものかもしれない。

彼女は名門ラドクリフ大学の学生で夏休み休暇で、実家に帰って来ている。実家は成功した金持ちのユダヤ人家庭だ。一方のニールは普通の家庭の出で、今は図書館で働いている。このあたり、「ある愛の詩」を思い出した。やはり主役の女の子はラドクリフ大の学生だが、こちらは男の子がハーバードで、さらに上という格差になっている。貧しい女の子が、大邸宅の男の子の家に招待されるシーンがあったけど、もしかしたら1959年出版の「さよなら コロンバス」が元ネタになっているのかも。逆バージョンということで。

格差、青春の揺らぎ、ユダヤ人のしがらみ、モラトリアム、微妙なズレ、など、アメリカ文学の雰囲気だなあ、と思う。映画「卒業」も思い出してしまう。

作者のフィリップ ロスは、現代アメリカ文学の代表的な小説家の1人、ということで今回作品を選んでみたが、他の作品や、他の代表的アメリカ文学も読んでみたいと思った。
家にいると、なかなか入り込めないタイプの小説です。よかった、読めて。
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# by oakpark | 2016-12-18 00:35 | Comments(0)

美容院のこと   

カテゴリに、「ちょっと思ったこと」を追加した。

生まれて初めて自分で選んだ美容院に1人で行ったのは小学校6年生の頃。友達の内山さんと同じような流行のオオカミカットにしたくて、勇気を出して内山さんにそのお店のことを聞き、少し遠かったけど自転車で1人で行ったことをよく覚えている。
それ以来、何軒の美容院、何人の美容師さん(最近はスタイリストといいますよね)に髪を整えてもらっただろうか。
若い頃は、結構高い美容院に行き、結構高いシャンプーを買ったりしていたこともあった(社会人一年目長女が今まさにその状態)が、今はしてもらいたいことは自分でわかってるし、自分に期待もしていないので、かなりリーズナブルなお店に通っている。

しかしひとつこだわっていることが、絶対女性にやってもらうこと。10年ほど前に嫌な思いをしたことがあるから。それ以来、いつも女性を指名するのだが、数年サイクルで皆さんやめてしまったり、お店を移ったりする。みんな若く、そしてみんな綺麗な手をしている。

そこで気になることがある。ここからが本題だ。

私はいつもヘアダイではなく(地肌に刺激が強いので)ヘアマニキュアをしてもらうのだが、これはすごく指に色がつきやすい。美容師さんはみんな、最後に私の髪を洗い乾かしお会計をする頃には指が黒ずんでしまっている。

同い歳くらいの娘を持つ私は最近急にそう思うようになったのだが、なぜ手袋をしないのだろう。今まで美容師さんが手袋をしているのは見たことがない。ただださえも水を使うし、ときには強いお薬持つから。手が荒れやすい仕事だと思う。

と言いつつ、実は私も7〜8年前までは反手袋派だった。私の母が使っていなかったし、ゴム手袋して洗い物をすると泡が落ちてるかどうか分かりにくいと思ってた。でも毎年10月くらいから手が荒れるようになり、ハンドクリームをつけても手荒れが改善しないようになり、ついにゴム手袋をつけるようになった。するとこれが快適で。全く手荒れをしないようになったのです。泡切れのタイミングなんて、今までの家事経験からこれくらい流せば取れてるはずってわかるし、心配無用だった。ゴム手袋もいろいろ試し、今では100均で見つけたお気に入りのをいつも使っている。すごく便利。すごく快適。

だから美容師さんも、例えば手術で使うような薄い手袋を使えばいいのにな、せめて冬場は、と思うのです。

会計の時、いつも、申し訳ないなあ、と思いながら美容師さんの手を見てしまう私です。

歳とると、いろいろ世の中のことの見え方も変わってきますね。
そう行ったことも含めて、「ちょっと思ったこと」に書いていこうと思います。「雑感」とどう違うのか、という話もありますが。

# by oakpark | 2016-12-10 12:09 | ちょっと思ったこと | Comments(0)

初めてスマホから投稿!   

最近、以前と比べて、パソコンよりスマホをいじってる時間の方が長くなって来ました。どこへでも持って行けるし、反応早いし、いろいろ便利。字が小さいことを除けばね。しかも私、同世代の人に比べて老眼の度数がそれほど高くない(えへん)ので、メガネなしでスマホ操作できます。もちろん近視用のコンタクトはしてるのですが。

というわけで。初めてスマホで投稿してみました!

今まで、あ、このことブログに書こう!と思っても、あとでね、と思っているうちに時間なくなってしまうことが多かったから。

でもやはりキーボードの方がゆっくり落ち着いて書けます。スマホだと長く触ってると頭痛くなる。なので、スマホでは近況とか感想とか書こうと思ってます。

最近は、気になる人のツイッターを見てます。ただし自分はアカウント持っていません。いいね!をしたくてもアカウントが必要なのですね。だから、いいね!をしたくなったらこのブログに書くかもしれません。

最近よく見るのは、前回の記事にも書いた、モーリー ロバートソンさんと、町山智浩さん。たまに萩原健太さん、髙橋源一郎さんをのぞきます。

モーリーさんはものすごく活発にアップしてらっしゃいます。バイリンガルだから海外のニュースへの反応も早いので勉強になります。

その流れで夜はフジテレビのユアタイムを最近見始めました。メインキャスターの市川紗椰さんもバイリンガル。喋り方はキャスターのようでなく、普通な感じで、そこがこの時間帯にリラックスして聞くにはいい感じ。そして何より桑田佳祐さんの歌う、「百万本の赤い薔薇」が大好き。エンディングの、今日の映像に音楽がかぶるのがとてもセンスが良い。カメラワークも素敵。桑田さんは天才だなあ、と改めて思う。昔の曲も聴きたくなります。カメラマンの人、映像を編集する人、みんなすごいです。

私もがんばろう。

# by oakpark | 2016-11-24 08:48 | 日常生活 | Comments(0)

町山智浩×モーリー・ロバートソン アメリカ大統領選挙をしゃべり倒す   

カテゴリに「イベント」を入れました。
最近、映画評論家の町山智浩さんがらみのイベントによく行きます。町山智浩さんはアメリカ在住なので、日本に来た時に固めて仕事をされているようで、イベントに行く私たちも(いつもお友達のMさんと行きます)、連日町山さん詣でになってしまうことがありまして(というか、今回初めてですが)、 昨日、今日、一週間後と、3回連続で イベントに出かけます。そろそろ、町山さんに顔を覚えられ「このおばさんたち、ストーカーみたいで気持ち悪いなあ」と思われないか心配です。でも、町山さんのお話はおもしろくて勉強になり、ときどき過激ですが、笑いもあって、なかなか楽しいので、 できるだけ行こうねと友達とも話しています。

そして、昨日、ちょっとびっくりすることがあったのでこちらに書いておこうと思いました。昨日のイベントは、町山さんがモーリー・ロバートソンさんと、アメリカ大統領戦について対談するというものでした。今回の大統領戦は、私としてはとっても興味があり、テレビ討論会も3回とも全部観るというくらい関心があるので、町山さんがらみということもあり、ぴったりの企画でした。

ただ、モーリー・ロバートソンさんという人はどういう人なのか、全く知りませんでした。フジテレビの遅い時間のニュース番組で、番組を降板したショーンKさんの後釜として出演しているということは知っていましたが、番組もまともに見たことはありませんでした。友達が、トップレベル大学にたくさん合格した頭の良い人らしいよ、と言っていたので、そうかあ~、と思っていた程度でした。

いよいよお二人が登壇し、すぐに大統領戦について語り始めるのかと思いきや、町山さんが、一冊の本を出してきて、「これはだれでしょう。30年前のモーリーさんですよ」と言ったのです。そのとき、私は、あっ!と思わず声を出してしまいました。
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この表紙のモーリーさんに、私、30年前に会ってる!とすぐにわかりました。当時、私はアルク社の「イングリッシュ ジャーナル」という雑誌を毎月購入していました。この雑誌は、毎回話題の人のインタビュー記事と、その音声を録音したカセットが別売りであるのが売りでした。今でこそ、英語はどこででも聞くことができますが、当時は、英語のインタビューの音声なんてとても珍しかったのです。教材用によそ行きの声で録音されたものや、せいぜいニュースの音声くらいでした。普通にしゃべるインタビューの英語はとても珍しく、私は毎回楽しみにしていました。これは今もある雑誌で、現在はCD付きで1512円ですが、当時は、雑誌とカセットが別売りで、確かカセットだけで1700円くらいしたと思います。購入した雑誌のひとつに、モーリーさんが取り上げられていたのです。この「よくひとりぼっちだった」という本が出る前後だったのでしょう。本の内容、つまり、アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれ、アメリカでも日本でも居場所がなく、つらい少年時代をすごしたことや、東大とハーバードに同時に合格したことなどをインタビューで語っていたのだと思います。このインタビューが私はなぜかとても印象に残りました。なぜだかはよくわかりませんが、ほかのインタビューは忘れているのに、モーリーさんのことははっきり覚えています。きっと、この人の英語の発音や声が好きだったのだと思います。何度も聞いて、人にも聞かせたような気もする。そのくらい好きな音源でした。結婚して引っ越してもしばらくは持っていたと思うけれど、もう捨ててしまいました。写真でみる若きモーリーさんの憂いのある表情もなんとなく魅力的でした。

それが、それが、今こんな形で再会することになるとは。。。。
昨日のモーリーさんの日本語は、ものすごい早口で、ちょっと甲高く、私が惚れた声ではありませんでした。でも、時々、英語をしゃべったときは、少し当時の面影があったように思います。なんで日本語だと声が高くなるのでしょうか。。。

「よくひとりぼっちだった」というタイトルが、少し不自然な日本語で覚えていたのと、モーリー ロバートソンという名前も私の頭のどこかに残っていたような気がします。あまりにも懐かしく、ヤフオクで探してこの本を注文してしまいました。フジの「ユアタイム」も時々は観てみようかなと思います。でも、ほんとびっくりしたわ~~~。

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# by oakpark | 2016-10-30 22:32 | イベント | Comments(0)